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逆ギレ直撃スクープインタビュー みずほ銀行疑惑の副頭取「悪いのはオレなんかじゃない」『半沢直樹』を超える陰謀劇
部分業務停止命令が下る可能性も出てきた〔PHOTO〕gettyimages

何がどうなっているのか。金融庁の業務改善命令を受け、収束するはずの不祥事が逆に泥沼化。内部紛争状態だ。二転三転する説明、次々現れる〝真犯人〟。組織に切られかけた男は静かに怒っていた。

なぜ、「悪者」にされたのか?

「心外ですよ。ああいう報道をされるのは」

JR大船駅にほど近い住宅街の一角にある一軒家。10月8日の夜10時半ごろ、ようやく車で帰宅した〝渦中の人〟は、明らかに怒っていた—。

みずほ銀行が、グループの信販会社オリコを通じて暴力団関係者に融資していた事件は、その行為と同等か、それ以上に、事件発覚後のみずほ側の対応に不可解さが目立つ。

一連の事件で、問題の融資が発覚したときのコンプライアンス担当だったのが、元みずほ銀行副頭取の上野徹郎氏だった。冒頭の言葉の発言主である。本誌は今回、「疑惑の副頭取」としてスケープゴートにされた感がある上野氏に直撃インタビューをした。

上野氏が取材に応じた10月8日は、折しもみずほの佐藤康博頭取が突然の記者会見を開いた当日。それまで、みずほ側は10月4日に岡部俊胤副頭取が会見を開いていたが、この会見で「問題を把握しながら放置した」「頭取らトップへの報告もなされなかった」として、問題を握りつぶした諸悪の根源のように名指しされたのが上野氏だった。

ところが、その後の佐藤頭取の会見では、実際には問題融資に関する資料が取締役会に資料として提出されており、佐藤頭取自らもその席にいて、問題を知りうる立場にあったと認めたのである。上野氏にすれば、疑惑が晴れた格好だ。以下、彼との一問一答である。

—佐藤頭取の会見は見たか?

「テレビで見たくらいです」

—佐藤頭取は'10年の時点で、問題の融資のことを知っていたのか。

「それはわかりません。当時、私は佐藤さんとは別のところ(上野氏はみずほ銀行、佐藤頭取は親会社のみずほフィナンシャルグループ)にいましたからね」

—問題融資の資料はあなたが取締役会に出した?

「取締役会に報告は上げましたよ」

—取締役会の席で、「当該の暴力団組員に対して新規の融資を行うのをやめる、という対応では甘い」と進言したのか。

「記憶ははっきりしないが、議論はしたと思う。これから第三者委員会で話します」

—金融庁にはどう説明したのか。

「金融庁の調査は受けていないんですよ」

—みずほ行内の聞き取り調査では?

「取締役会には上がっているはずだと話してある」

—では、当時の(西堀利)頭取も知っていた?

「ええ。今日、そういう報道もありましたよね」

—みずほ側は今回の件について終始、「認識が甘かった」という説明をしているが、あまりに抽象的に過ぎる。当時、この問題をどう考えていたのか?

「あのとき、オリコがみずほグループ入りしたので、まず、その(業務)内容を調べようということになったんです。ただ、僕は('11年の)3月で退任して現場を離れてしまったので、後のことは……(語気を強め)知らないんですよ」

—金融庁がまとめたペーパーには「コンプライアンス担当役員のところで情報は止まっていた」と書かれていた。どうして、あなたが悪者になっているのか。

「(力なく)ははは……。僕は金融庁の調査を受けてないので、どうしてかわかりません。まったくわからない。

(自分が情報を握りつぶしたように報じられて)いろいろ質問されたんですが、記憶がないから答えられなかったわけです。その後、だんだんと記憶が戻ってきて、あれ(問題融資)はコンプライアンス委員会にかけて取締役会にも報告したと思い出した。それで先日のみずほの内部調査のさいに話したということです」

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