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安倍首相の所信表明演説に突然、登場した"中村正直とスマイルズ"を推したのは誰か
[Photo] Bloomberg via Getty Images

 10月15日、「成長戦略実行国会」と名付けられた第185回臨時国会がスタートした。首相所信表明演説は約5500字で比較的短かったが、安倍晋三首相は6章にまとめられたその中で4人の固有名詞を挙げた。

 第3章「成長戦略の実行」に登場したのは、ホンダの創業者・本田宗一郎氏である。第6章「おわりに」の中で言及されたのが、パラリンピック水泳の金メダリストの成田真由美さんだ。そして第4章「強い経済を基盤とした社会保障改革と財政再建」で引用されたのは、明治時代初期の教育者・中村正直が翻訳した英国人スマイルズの言葉だった。

本田宗一郎氏、成田真由美さんはわかるが

 安倍首相が言う「日本の新しい幕開け」の件で本田宗一郎氏の「チャレンジ精神」に言及したのは理解できる。これまでに15個の金メダルを獲得した成田さんの言葉「私は、失ったものを数えるのではなく、得たものを数えていきます」を紹介したことも、またよく分かる。
 安倍首相だけでなく、最側近の菅義偉官房長官も成田さんと長い親交を結んでいることは周知の通りだ。

 だが、「中村正直と英国人スマイルズ」という名前を聞いてピンと来るものがあった人がどれだけいたのか?
 安倍演説をそのまま再録すると、少し長くなるが以下の通りである。

《「心 志あれば、必ず便宜あり」意志さえあれば、必ずや道は拓ける。中村正直は、明4年の著書「西国立志編」の中で、英国人スマイルズの言葉をこのように訳しました。

 欧米列強が迫る焦燥感の中で、あらゆる課題に同時並行で取り組まなければならなかった明治日本。現代の私たちも、経済再生と財政再建、そして社会保障改革、これらを同時に達成しなければなりません。

 明治人たちの「意志の力」に学び、前に進んで行くしかない。明治の人たちにできて、今の私たちにできないはずはありません。要は、その「意志」があるか、ないか。

 「強い日本」。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。皆さん、共に、進んで行こうではありませんか。》

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