国民国家の終焉?
『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より
ドバイのビジネスビル開発エリア---〔PHOTO〕gettyimages

すでに「非国家世界」は存在している

米国の中央情報局(CIA)長官の諮問機関であるアメリカ国家情報会議は、5年ごとに世界トレンドの長期的インパクトを予測するレポートを出版する。今年の初め、同機関は最新レポートである「選択すべき世界」を発表した。これには、一世代あとに世界がどうなっているかを描いたシナリオがいくつか含まれている。

シナリオのひとつである「非国家世界」では、都市化、テクノロジー、資本の蓄積により、政府が本格的な改革を放棄する状態になった地球を想像したものだ。そこでは、政府が外部組織に多くの責任を請け負わせ、各々が独自の法律に基づく特区(enclave)を設立して運営される。

これらのシナリオで想定されている時期は2030年だが、「非国家世界」に関しては、少なくとも2010年としたほうがいいだろう。大多数は気づいていないかもしれないが、「非国家世界」とは、すでに国際社会が実際に動いている姿を述べたものだからである。何も国家が消滅したと言っているわけではないし、また、将来そうなるだろうと言っているわけでもない。しかし、国家の多くは統治形態のひとつでしかなくなりつつある。

世界をざっと見回しただけで、成長やイノベーションがもっとも顕著な場所には、その驚異的な成功の裏で官民のハイブリッドや国内と国外の融合ある。それらは国家ではない。「パラ国家」、一般用語で言うところの「経済特区」だ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら