2020東京五輪日本再生への期待高まる[東京五輪]
東京五輪決定の都民報告会でくす玉を割り笑顔を見せる猪瀬直樹知事(右端)ら=東京都庁で9月10日

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定は、沈滞ムードが漂う日本を予想外に元気づけている。開催都市の東京を政府が全面的にバックアップする体制作りが始まった。経済波及効果は大きく、安倍晋三政権が進める経済再生策の「第四の矢」との期待が高まる。前回の東京五輪(1964年)は、戦後の復興と高度経済成長を遂げた日本を世界に示した。20年五輪開催に向けた官民の取り組みが、日本再生の象徴になれるだろうか。

成功に向け官民上げた準備開始

「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」――東京五輪招致委員会が掲げた国内向けスローガンは、蔓延する閉塞感を打破しようという必死の思いが込められていた。石原慎太郎知事時代の昨年5月に発表されたものだが、「夢は力をくれる。力は未来をつくる。私たちには今、この力が必要だ」などと続き、夢と力を強調。五輪の東京開催を夢とし、夢の力で長びく不況、デフレスパイラルの悪循環を吹き飛ばす起爆剤にし、併せて東日本大震災からの復興ぶりを世界の人々に見てもらいたいという願いを持って、猪瀬直樹知事、政権交代後の安倍政権にも引き継がれて「東京」をアピールしてきた。

9月のIOC総会での東京五輪開催決定で、その力を手にすることができるようになり、夢の実現に一歩近づいたとして、菅義偉官房長官は早速「(安倍首相が掲げた)デフレ脱却に大きな弾みがついた」などと語った。また、安倍首相も自ら「ある意味で(アベノミクスの)〝第四の矢〟の効果はある」と話した。

決定間もない9月13日に開かれた政府の経済財政諮問会議では、東京五輪担当大臣に任命されたばかりの下村博文・文部科学相が臨時議員として参加。開催のポイントとして「単なる経済効果にとどまらず、日本社会再生のための〝大きなうねり〟とすることが必要」と強調した。その上で「2020ニッポン再生―夢ビジョンJAPAN」と題して「2020年に目指すべき姿」を発表、官民一体となって防災・減災によるまちづくりや交通網・都市基盤整備、国家戦略特区、雇用創出などを進める取り組みを提案した。

また、伊藤元重東大大学院教授、小林喜光三菱ケミカルホールディングス社長ら4人の民間議員らは「東京大会をアベノミクス〝第四の矢〟に」として、これからの日本の50年を見据えて、政府が課題解決の先進国モデルとなるよう戦略的な取り組みを行うよう要望した。その中で、中長期的な視野での取り組みの必要性を訴え、広範な国民参加による新たな成長メカニズムを明らかにした中長期の経済財政政策方針を策定するよう求めた。

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