企業・経営
全業務停止6ヵ月の命令を受けたアブラハムPB・高岡壮一郎社長を直撃!
「いつかはゆかし」公式HPより

金融庁は、11日、投資助言業者のアブラハム・プライベートバンク(PB)に対し、金融商品取引法に違反、無登録で海外ファンドの商品を販売していたとして、全業務を6ヵ月間、停止する命令を出した。

相当に重い。登録取り消しに次ぐ処分で、しかも顧客が海外ファンドを購入する際、助言とサポートを行う、というビジネスモデルを否定されたので、6ヵ月後に、また同じ事業を再開はできない。

「海外ファンドへの投資助言は、認められない」

アブラハムPBの社長は高岡壮一郎氏。東大を卒業後、三井物産勤務を経て、アブラハム・グループを立ち上げ、富裕層向けのプライベートクラブ「YUCUSEE(ゆかし)」を運営する。

アブラハムPBの「いつかはゆかし」は、将来の「ゆかし」を目指す若年層向けのサービスで、「1億円は貯められる。月5万円の積立で」という派手な広告戦略で、ここ1年の間に一気に知名度を高めた。

しかし、金融庁にビジネスモデルを否定され、今後、どう展開するのか。既存の顧客をどうするのか。

再建が容易でないことは指摘しておくべきだろう。

まず、信頼回復の難しさである。

アブラハムPBに対して、誰もが感じる疑問は、英系金融機関が提供する「海外積立(自分)年金」は、営業報奨金がつきものなのに、同社が「営業報奨金は受け取っておらず、投資助言手数料と会費で賄われています」と、断言していた点だ。

営業報奨金がないということは、確かに中立的な立場からアドバイスをすることができる。だが、受け取らないということは、例えば、「月に5万円の契約ならその8ヵ月分(40万円)、あるいは10ヵ月分(50万円)」などと決まっている英系金融機関の報奨金を軸に世界で営業展開するビジネスモデルを否定することになる。なにより、みすみす収益を逃すのはおかしな話だった。

これについて、証券取引等監視委員会の調査でアブラハム・グループ・ホールディングスは、海外籍広告代理店・サゲイシャス・トレンド・インターナショナル(STI)から成果報酬型の広告料として、海外ファンドの購入額に応じた報酬を受け取っていることが判明した。同社は、「営業報酬ではなく広告料」と説明するのだが、金融庁ならずとも納得できまい。

それ以上の問題は、日本国内での海外ファンド購入の「投資助言とサポート」というビジネスモデルが、「無登録勧誘であり販売」として否定されたことである。

高岡社長は、「日本人の金融リテラシーをグローバルスタンダードに近づけることで、将来不安を抱えるすべての人を安心へと導くこと」をビジョンとして掲げてきた。そのビジョンに対し金融庁は、「海外ファンドへの投資助言は、認められない」という方針を、明確に打ち出した。

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