猟師育成へフォーラムを全国展開 環境省
担い手不足が深刻化 獣害が農山村から都市部へも[狩猟]

大津市で行われた「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」。地元猟友会の協力も受け、射撃模擬体験も行われた=9月14日

ハンターを増やせ!――。シカ、イノシシ、サルなどによる獣害が全国的に広がるなか、環境省が問題解決のカギは猟師の育成とみて、新たな担い手募集を目的にしたイベントを全国各地で開催している。野生動物の現状は今や、生態系や農業への影響だけでなく、同省は「都市を野生動物が襲う日も遠くない」と危機感を募らせている。

名付けて「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」。9月14日には、大津市のホテルで今年度の2回目が開催された。壇上には20~30代の男女各2人のハンターがパネリストとして登場した。「田植えの苗をシカに食べられるなど、獣害で農業にならない。周りの期待を感じ免許を取った」という男性、「猟師の父に小さいときから猟に連れて行ってもらい、楽しかったので20歳になってすぐに免許をとった」と語る英才教育の女性ハンターも。「自分で仕留めた獲物が食卓に載り、いただきますと食べるときに生きている実感がある」と狩猟の楽しみを語る女性もいた。いずれも狩猟歴数年の新たな担い手たちだ。

パネルディスカッションに入る前、滋賀県の鳥獣対策室から現状報告があった。同県では、シカ、イノシシ、サル、カワウが4大害鳥獣で、中でも被害が最も大きいのがシカという。県内の適正な生息数が8000頭なのに、現在の生息数は推定で4万7000~6万7000頭。2012年度は、約3億4600万円の農業被害が発生し、林業でも281㌶で苗木や樹皮が食害にあった。

さらに、シカが根こそぎ山の下草を食べるため、山では裸地化が起こり、昆虫や鳥類の減少など生態系への影響が心配されるという。県では11年度から、行政の依頼で有害鳥獣を駆除するときだけでなく、狩猟期間の趣味の捕獲についても1頭当たり数千円の報奨金を出し、捕獲を奨励してきた。それでも、年間1万6000頭の目標に対し、最も多かった12年度でさえ1万1000頭しか捕獲できず、目標に届いていない。