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最新の「言いたい放題」講演会を全文公開します「脱原発せよ」小泉純一郎弟子の安倍晋三を叱る
〔PHOTO〕gettyimages

「もう黙っていられない!」そんな心境なのだろうか。小泉純一郎元首相が、かつての愛弟子・安倍首相の「原発再稼働」路線に真っ向から異を唱えている。最新講演会での「小泉節」をお届けしよう

やればできるはず!

原発汚染水の問題で、安倍総理が先月、(福島第一原発に)視察に行ってます。ヘルメットかぶって、防護マスクして、全身防護服、重装備で視察した。

あの防護服を着て作業している人たちが、一日約3000人いるんです。しかも一日原発に入るだけで、あの防護服は全部捨てなきゃいけない。使い回しできない。さらに、焼いてしまうと放射能が出るから焼けない。処分場に置いとくだけ。大変なことです。

原子力業界はこれまで、原発は安くてクリーンだと言ってきた。しかし様々なリスクを考えたら、あんなに高いものはない。事故を起こしたら人体への影響、農作物への影響、水産物への影響、地域に対する影響は計り知れない。

一民間企業では負担しきれないんです。この原子炉はもう使えない、廃炉するとなっても、廃炉に40年か50年かかるんですよ。

こういうことをほんとにすべて計算に入れて、安全でコストが安いと言えるかどうか。3・11より前に出した、電気事業連合会の(原発がクリーンで低コストだという)資料、信じる人はいまほとんどいませんよ。

原発を造る前に、原子力の専門家はこう言っていました。

「文明生活を送るためには原発は欠かせない。原発をいらないと言う人は、経済成長しなくていい、日本は貧乏でいいと言っているようなもんだ」

そうじゃないことは、もうわかってますね。原子力発電ほどコストがかかるものはない、というのは多くの国民が理解したんじゃないですか。原発建設をOKしてくれる地域にどれだけ税金を落としたか。廃炉、東電でできるんですか。国民の税金使わなきゃ廃炉事業できませんよ。汚染水の処理もそうです。一民間企業にはできない。

こういうことを思うと—(思わせぶりに沈黙)、この際、政治が、

「原発を将来ゼロにする」

そういう方針を決めるだけで、日本の企業も日本の国民も、その方向に協力すると私は思います。

短く歯切れの良い言葉をたたみかけ、小泉氏は人々に「脱原発」を訴える。10月1日、大垣共立銀行と共立総合研究所が主催する「特別講演会」に講師として招かれた小泉氏は、約60分間、喋りっぱなしの言いたい放題だった。会場となった名古屋国際会議場には2500名の聴衆が詰めかけ、その存在感がいまだ大きいことを証明した。

講演の中身は、原発再稼働へと突き進むかつての愛弟子・安倍晋三首相への「叱責」とも受け取れるものだった。

私は政界を引退して、経団連の方々が立ち上げたシンクタンク(国際公共政策研究センター)の顧問をしています。必然的に最近、政治家よりも経済界の方々、大手企業の社長、会長を経験したような方と話すことが多い。実体経済のことがわかっている方ばっかりですから、自然と原発の問題が話題に上がります。

大方の皆さんは、「原発ゼロなんて言ってる人がいるけども、あれは無責任だな。代案も出さないで原発だけゼロにすればいいなんて、実に無責任な言い方だ」と言って、憤っている方がかなり多いんですね。

そんな原発必要論に囲まれる中で私は、原発ゼロを主張している。原子力発電によって電気が供給される過程で出てくる放射能の廃棄物—私は「核のゴミ」という言葉を使っていますが、この核のゴミの捨て場所がない。処分場がない。

今まで出た核のゴミがそろそろ(各原発内で)満杯になって、これをどう処理するか、そのための場所は日本国内に一つもない。

核のゴミを処分する場所のあてもないのに原発を進めていくほうが、よほど無責任じゃないか、というのが私の主張なんです。

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