どうするアジア外交---日米同盟の重要性と、隣国との関係改善
〔PHOTO〕gettyimages

先週は、APEC、ASEAN首脳会談などが行われ、この地域が抱える経済や安全保障など、多くの課題が議論された。安倍首相も出席し、日本の立場を広く訴えたが、その成果は上がったのであろうか。さらには、プレゼンスを高めつつある中国の動きには、どう対処すればよいのであろうか。

アメリカも北欧もタックスペイヤーが政府を監視している

今回の一連の国際会議の最大の問題は、オバマ大統領の不在である。アメリカでは、共和党の反対によって下院で予算案が通らず、80万人の政府職員が自宅待機を命じられ、博物館や国立公園が開かれないといった、異常な事態となっている。この問題への対処を優先させて、大統領は外遊を中止したのである。

因みに、今回、アメリカの「ねじれ議会」の下で問題になったのが「オバマケア」だ。分かりやすく言えば、日本のような国民皆保険的な制度改革を行おうとする政策である。共和党、とくに保守派のティーパーティ派が、強制的な医療制度に反対なのである。

国民皆保険が当たり前だと思っている日本人には分からないかもしれないが、信仰の自由を求めて建国したアメリカでは、鉄砲の自由な保持と同様に、政府に頼らず自力で自分の命を守るという考え方が根強くある。それは、いわば建国の理念であり、アメリカ民主主義の基礎なのである。

したがって、アメリカ人は、タックスペイヤーの意識が強く、政府は自分たちが税金で賄っているもので、1ドルたりとも、無駄な出費は許さないという監視の目が鋭い。自分の健康は、自分の努力とカネで守るべきであり、他人の健康まで、自分の支払う税金で面倒をみることには反対だという考えなのだ。だから、オバマケアに反対する。まさに、「神は自ら助く者を助く」である。

日本では、来年4月に消費税が8%に引き上げられる。しかし、社会保障改革のほうは、遅々たる歩みである。アメリカのティーパーティのような考え方もあることを念頭に置いて、これからの医療や介護や年金の在り方について議論を進めれば、その内容が深まるかもしれない。

さらに言えば、アメリカと対極にあるスウェーデンなどの北欧諸国も参考になる。消費税24%でも、国民は高度の福祉を求める。ただ、アメリカも北欧諸国も、タックスペイヤーが、政府をきちんと監視するという点では共通である。日本人も、そして日本のマスコミも、そうでなくてはならない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら