【厚生労働 その5】 少子化対策のためにタブーに立ち向かえ ~婚外子を認める社会に!

2013年10月11日(金) 堀 義人
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世界各国の婚外子割合の(出所:社会実情データ図録

1. 婚外子を認める社会に!

欧米の婚外子割合をみると、日本との大きな違いに驚く。日本では、婚外子は2.1%にすぎないが、スウェーデンでは54.7%、フランスでも52.6%と、半分以上が婚外子である。ちなみに、スウェーデンも、フランスと同様、1990年代に1.5台まで下がった出生率を2011年に1.9まで回復させる事に成功した国だ。

日本は、結婚していない人々が、子どもを育てにくい社会になっているといえよう。フィギアスケートの安藤美姫選手が、「シングルマザーとなった」と告白をしたことが大ニュースになった。そもそもスウェーデンやフランスでは、半分以上の女性がシングルマザーの選択をしており、社会的にもそれが普通の状況なのだ。

フランスでも、婚外子の割合は1965年には5.9%に過ぎなかったが、次第に増え続け、06年についに50.5%と正式な結婚による子供の数を上回ったという経緯がある。フランスでは99年、事実婚のカップルに対して、税控除や社会保障などについて、結婚に準じる権利を付与するパックス婚の制度が制定されていることも一因ではある。

この制度は、もともとは同姓カップルのための制度であった。当初の利用者の4割が同性愛者であったが、現在のパックス婚件数は総計10万件を超え、そのうちの9割以上が、異性カップルによるものとなっている。フランスではこういった制度によって、結婚の形態も多様化が進み、子どもを作りやすい社会になってきたといえる。

日本でも、結婚や家庭への考え方を多様化させるとともに、結婚していないカップルや、シングルマザー(ファーザー)が子育てをしながら仕事をしやすい環境を醸成して、結婚していなくても、もっと自由に子どもを産める社会をつくるべきであろう。

2. 養子縁組を増やせ!

経済的な事情や家庭環境によって、「子どもを産みたくても産めない人」がいる。妊娠中絶の数は減っているとは言え、年間20万件、年間の出生数の20%にも上る計算となる。

一方で、近年では、不妊治療や体外受精の件数も大幅に増加している。「子どもが欲しくてもできない人」も多くいる。このミスマッチを可能にするのが、養子縁組のはずだが、日本ではその数は極めて少ないのが現状だ。

日本には、養子が実親との親子関係を存続したまま養親との親子関係をつくる「普通養子縁組」と、養子が戸籍上実親との親子関係を切る「特別養子縁組」があるが、併せて1500件/年程度しか養子縁組は行われていない。米国では、2001年時点で12万人以上が養子として育てられていると推計されている。昨年他界したスティーブ・ジョブズ氏も養子であったことは、周知の事実である。

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