【厚生労働 その5】 少子化対策のためにタブーに立ち向かえ ~婚外子を認める社会に!
堀 義人
〔PHOTO〕gettyimages

2012年の日本の出生数は、過去最小の103万7101人だった。死亡数は125万6254人。今年も人口が減少し、2005年をピークに人口減少が続いている。

よく知られているように、人口を維持するのに必要な出生率は2.08とされている。しかし、日本の出生率は1.41で非常に低い。このままでは、2050年には9500万人に、2100年には4700万人まで日本の人口は減ってしまう。

2050年時点では、0歳から64歳人口が3000万人減る。一方65歳以上の人口は微増する計算となる。このままでは、人口減であり且つ過度な高齢化社会となる。「以前は、胴上げができたのが、騎馬戦になり、肩車になっていく」と喩えられるように、労働人口対高齢者の割合は、労働者の負担が増す方向へと劇的に変化している。

このように、少子高齢化問題は、日本が抱える最も大きな問題のひとつであり、日本社会の根底を揺るがす危機的状況だという認識をもつ必要があろう。

では、どうすればいいのだろうか?

やるべき事は、実は単純で、少子化の食い止めに成功した国の事例から学べばいいのだ。フランスでは、出生率が1.6まで低下した後、「政策的努力」によって回復傾向となり、2011年には2.01まで回復している。日本がすべきは、フランスの政策をベンチマークして、取り入れられる政策を積極的に取り入れることではないだろうか。

世界各国の婚外子割合の(出所:社会実情データ図録

1. 婚外子を認める社会に!

欧米の婚外子割合をみると、日本との大きな違いに驚く。日本では、婚外子は2.1%にすぎないが、スウェーデンでは54.7%、フランスでも52.6%と、半分以上が婚外子である。ちなみに、スウェーデンも、フランスと同様、1990年代に1.5台まで下がった出生率を2011年に1.9まで回復させる事に成功した国だ。

日本は、結婚していない人々が、子どもを育てにくい社会になっているといえよう。フィギアスケートの安藤美姫選手が、「シングルマザーとなった」と告白をしたことが大ニュースになった。そもそもスウェーデンやフランスでは、半分以上の女性がシングルマザーの選択をしており、社会的にもそれが普通の状況なのだ。

フランスでも、婚外子の割合は1965年には5.9%に過ぎなかったが、次第に増え続け、06年についに50.5%と正式な結婚による子供の数を上回ったという経緯がある。フランスでは99年、事実婚のカップルに対して、税控除や社会保障などについて、結婚に準じる権利を付与するパックス婚の制度が制定されていることも一因ではある。

この制度は、もともとは同姓カップルのための制度であった。当初の利用者の4割が同性愛者であったが、現在のパックス婚件数は総計10万件を超え、そのうちの9割以上が、異性カップルによるものとなっている。フランスではこういった制度によって、結婚の形態も多様化が進み、子どもを作りやすい社会になってきたといえる。

日本でも、結婚や家庭への考え方を多様化させるとともに、結婚していないカップルや、シングルマザー(ファーザー)が子育てをしながら仕事をしやすい環境を醸成して、結婚していなくても、もっと自由に子どもを産める社会をつくるべきであろう。

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