止まらない放射性汚染水の流出
安倍首相が「国際公約」政府が対策の前面に[原発事故]

福島第1原発の汚染水漏れがあったタンク近くで説明を受ける防護服姿の安倍晋三首相(右から2人目)=福島県大熊町で9月19日(代表撮影)

東京電力福島第1原発(福島県)の放射性汚染水漏れが止まらない。東日本大震災から2年半が過ぎた今も、事故が収束したとは言えない状況だ。事故の対応責任は東電にあるとの立場をとってきた政府も重い腰を上げ、対策への国費投入を決めた。世界的に懸念が広がる中、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席した安倍晋三首相は「状況はコントロールされている」と演説し、2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催決定にこぎつけた。結果として、汚染水対策は「国際公約」となったが、問題解決の道筋は不透明なままだ。

東電によると、福島第1原発の汚染水は9月10日現在、1~4号機の建屋に約7万4300トン、敷地内の地上タンクに約34万6000トンの計約42万トンがたまっている。

福島第1原発には津波で大量の海水が浸入した。炉心溶融や水素爆発で原子炉格納容器などが壊れ、原子炉の冷却もできなくなった。消防ポンプ車などで外部から原子炉に水を注いだが、冷却水は格納容器の損傷部分などからタービン建屋地下などに広がった。

東電は11年6月、放射性汚染水からセシウムや塩分を除去し、原子炉に戻す「循環注水冷却システム」を導入したが、その後も汚染水は増え続けた。1日1000トンもの地下水が敷地山側から1~4号機周辺に流れ込んでいるからだ。

経済産業省の試算では、1000トンのうち400トンが原子炉建屋に流入し、溶け落ちた核燃料と接触して汚染水となっている。残り600トンのうち300トンも、放射性物質に触れて汚染された後、海に流出しているとみられる。