佐藤優さんに質問---「積ん読」になった書籍の扱いについてアドバイスをお願いします

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol022 質疑応答より

質問:外務省の採用おいて、留年は致命的ですか?

以前、外務省志望の方の質問が複数ありましたが、私にも似た質問をさせてください。外務省の採用において、留年は致命的な要素ですか?私はMarchレベルの大学文系三年の男です。2年次に半年休学しましたので卒業が半年遅れ、五年生で卒業することになります。ただしこれは単位不足ではなく、制度的なものです。

外交官になることは私の憧れであり、既に少しずつですが試験勉強も始めております。以前のメルマガで試験の成績が大変重視されることは拝読いたしましたが、しかし上記のことが不安でたまりません。どうぞよろしくお願い致します。

【佐藤優さんからの回答】 1年の留年自体が採用に悪影響を与えることはありません。筆記試験で上位に入れば合格します。ただし、半年間の休学の理由は面接で必ず聞かれます。外交官は心身ともに健康であることが求められますから、休学の理由が病気(メンタル面を含む)ならば、筆記試験の得点が良くても不採用になる可能性があります。

もし半年の休学理由が病気だったならば、もう一度、相談してください。あなたの事情を考慮した上で上手な回答振りについて考えてみます。

質問:悪い円高とはどういう意味ですか?

私は自営業者で、円安、海外原料の高騰により打撃を受けています。輸出企業、国内景気の事も考えると90円/ドルくらいが良いと思いますが、昨年までの円高をいわゆる悪い円高と佐藤さんはおっしゃっていましたが、そもそも何が悪いのでしょうか? 円高に持っていった欧米諸国の政策に問題があったのでしょうか? また良い円高というのはあるのでしょうか? また関連した参考書もお教えください。

【佐藤優さんからの回答】 私は「悪い円高」という言葉を、ユーロ不安のために円買いが進み、円が実力以上に評価されていたことの意味で使いました。

為替レートでどれくらいが適性かということについては、その人が置かれた状況によって異なります。海外から輸入するエネルギーに依存する業種ならば円高は有利です。輸出産業ならば円安が好ましいです。また、為替レートを人為的に操作することはできません。

この点に関しては、主流派経済学(近代経済学)よりもマルクス経済学からの視座に基づいた方が事態を客観的に認識することができます。鎌倉孝夫『「資本論」で読む金融・経済危機――オバマ版ニューディールのゆくえ』(時潮社 2009年)が参考になります。

質問:「積ん読」になった書籍の扱いについてアドバイスをお願いします

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読書のしかたについて一件質問をさせてください。現在、日本語、英語で書かれた書籍を、広い分野にわたり読んでいます。なかには、読み始めて、いまいち期待はずれだったもの、難しい内容のために読むのに時間がかかるものがあり、いわゆる「積ん読」になっている書籍があります。

これらは、あとで書評や目次を頼りに目を通して、読み続けないと判断したものは書棚に保管しています。佐藤先生からこのような「積ん読」の扱いについてアドバイスはございますでしょうか?よろしくお願いいたします。

【佐藤優さんからの回答】 文字通りの「積ん読」ではなく、目次だけ、まえがきとあとがきだけでも目に通すならば、本を買う意味は十分あります。本棚に本が増えていくことを趣味とするのではなく、実際に本を開いて読むならば、読了できなくても「あそこにこんなことが書いてあるんじゃないか」という見取り図が頭の中にできます。あなたが今のような「積ん読」を続けることには意味があります。