公的年金の成長企業投資指向分析---日経新聞の"暇ネタ"から
[Photo] Bloomberg via Getty Images

 10月5日土曜日の『日本経済新聞』朝刊の一面トップは、「公的年金 成長企業に投資」、「政府検討 収益力で株選別」という記事だった。
 公的年金が、来年度にも投資方針を変更することを検討しているという内容だ。

 読者の多くは、「収益力のある企業に投資して、運用利回りが高まるのだったら、結構な話だ」というくらいに感じて、その中身までは興味を持たなかったのではないか。
 もともと、日経は、大きなニュースのない日に公的年金絡みの観測記事をトップに持ってくることが多い。年金運用の記事を見て、「ああ、今日は、読むところがないのだな」と思う、読者の日常感覚には、筆者も概ね賛成する。

 とはいえ、投資を実践している方や、運用業界・年金業界にとっては、それなりに重要性があって、考えるに足る問題なので、ポイントを幾つか指摘してみたい。

公的資金を運用しているのは世界最大級の機関投資家

 公的年金(厚生年金と国民年金)の積立金は、通称「GPIF」(年金積立金管理運用独立行政法人)と呼ばれる組織が運用している。現在、ざっと120兆円の資産を運用する世界最大級の機関投資家だ。
 運用の内訳は、今年見直された「基本ポートフォリオ」(長期的で大まかな標準資産配分計画)で見ると、「国内債券」60%、「国内株式」12%、「外国債券」11%、「外国株式」12%、「短期資産」5%、である。

 今回、検討の対象になっているのは、標準的な状態で資産全体の12%を占める国内株式に投資される資金の運用方針だ。
 GPIFには、有識者が運用方針を検討する運用委員会がもともとあるが、日経の記事にあるとおり、政府は内閣官房に屋上屋的な有識者会議を設置しており、11月中にも提言をまとめる予定だ。

 世間常識的には、この会議の顔を立てる必要があるから、今後実行可能な何らかの方針変更を検討していると推測でき、今回の記事にあるような内容を「目玉」にするのだろうと予想できる。

 記事の「実質」を読むと、国内株で運用している資金の一部(当初、数千億円、後に数兆円程度まで)を東京証券取引所が導入を検討している「収益効率のいい企業に投資する新しい株価指数」に連動するインデックス・ファンドで運用するということのようだ。

 これは、投資として意味があるか。また、株式市場や運用業界には、どのような影響をもたらすのだろうか。

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