経済・財政
日本のグローバル化へ向けた試金石「雇用特区」の攻防
[PHOTO] Getty Images

激しい抵抗に見舞われている「雇用特区」

安倍晋三内閣が「規制改革の突破口」と位置づける国家戦略特区の具体案作りが最終段階を迎えている。6月14日に閣議決定した成長戦略で、市場関係者や海外などから「踏み込み不足」という声が上がった医療、雇用、農業などで「特区」に限り、大幅な規制を緩和する方向で調整が進んでいる。

内閣官房に置かれた国家戦略特区ワーキンググループ(座長の八田達夫大阪大学招聘教授ら民間人5人)が提案をまとめているが、規制する官庁側は激しく抵抗している。安倍首相による最終的な政治決断を経て、10月15日から始まる臨時国会に、法案として提出される見通しだ。

具体案の中で、最も激しい抵抗に見舞われているのが「雇用特区」だ。

ワーキンググループでは、「グローバル企業やスタートアップ直後の企業が優秀な人材を集めやすくするために、優秀な人材にとって働きやすい制度環境を作るべきだ」としている。現状では、外国企業が日本で数年間のプロジェクトを前提に専門人材を有期契約で雇用しようとしても、規制によって制約されていると指摘している。

このため、特区での特例として、「有期雇用規制の特例」を設けることや、「解雇ルールの明確化」、「労働時間規制の特例」などが必要だとした。

具体的には、有期雇用が5年を越えると、無期契約に転換する権利が、日本の法律では定められているが、特区内では「無期転換しない」契約を結ぶことを可能にするという。また、解雇の要件・手続きを契約書面で明確化することによって、解雇ルールを明確化できるようにするという内容だ。

9月以降、産業競争力会議(議長・安倍首相)が課題別に作った分科会で、「雇用・人材」の担当となった経済同友会代表幹事の長谷川閑史・武田製薬社長と、ワーキンググループの八田教授らが具体案を検討、厚生労働省との調整を進めた。厚労省は当初から、「雇用条件は全国一律であるべきで、特区制度にはなじまない」として反対してきた。

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