安達誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」

「講座: ビジネスに役立つ世界経済」
【第21回】 債務上限問題に揺れる米国の真のリスクとは?

2013年10月10日(木) 安達 誠司
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米医療保険改革法(オバマケア)をめぐり、与野党が激しく対立している。〔PHOTO〕gettyimages

世界の金融・資本市場が、米国の債務上限問題に揺れている。「2020年オリンピックの東京開催」で一瞬沸いた日本の株式市場も、この米国の債務上限問題の影響による米国株調整のタイミングとほぼ同時に調整局面に入った。

10月1日、安倍首相は来年度からの消費税率引き上げ決定を発表したが、債務上限問題が紛糾する中での発表というタイミングは最悪だった。「消費増税は、日本の財政再建の第一歩で評価できる」と言っていたはずの投資家は、こぞって日本株を売っている。

非妥協的なスタンスが強まっている共和党

米国の債務上限を巡る政府・与党と議会の対立は、これまで90回以上もあったが、いずれも最終的には両者の妥協によって、「米国債のデフォルト」といった最悪の事態は回避されてきた。そのため、米国メディアは、この債務上限問題が起こる度に、これを「Kabuki Game」と揶揄し、最後には参加者全員で債務上限額引き上げに賛成して大団円を迎える「出来レース」と、たかをくくっていた側面がある。

今回も、基本的には従来の債務上限問題と同じ構図ではあるが、従来に比べ、野党である共和党の非妥協的なスタンスが強まっているように感じる。共和党は、伝統的に「小さな政府」を志向してきたが、最近では、「Tea Party」と呼ばれる、より原理主義的なグループ、及び、Tea Partyからの支持を得ている国会議員が、共和党内で勢力を強めていると言われており、厳格な歳出削減による財政規模の縮小を強硬に求めており、妥協するそぶりを全く見せない。

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