古賀茂明ロングインタビュー
「日本が生き残るための処方箋」 【後編】

古賀茂明(こが・しげあき) 1955年長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。2011年9月退官。現在、古賀茂明政策ラボ代表。著書『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)ほか多数。

【前編】はこちらをご覧ください。

政治家でなくても戦う手段はある

日本を成長させるのか、破綻させるのか。政治家の頑張りがそれを決めるとも言えます。ただ、その政治家も現状を見ると、さまざまな既得権者との関わりに縛られて、身動きができない状態です。これは、今すぐにでも解決しなければいけません。

「古賀さん、選挙に出てください」という声を多くの方々からいただきます。それは、今の政治家に対して、もう期待できないという国民の声を反映しているのだと思います。今までも各党から声をかけられてきましたし、7月の参院選でも立候補を打診されました。第三極の政党から出馬すれば、当選できたかもしれません。

しかし、やはり政治の世界は、近くで見れば見るほど複雑です。小泉純一郎元首相などを見ていると、一人の力で郵政民営化をやったように思えます。ですが、あの仕事は自民党の総裁でなければ実現できなかったというのが現実です。

日本維新の会共同代表の橋下徹さんでも、まだ、国政では何もできないまま、今は挫折の一歩手前です。あれだけの強烈なキャラクターの持ち主でも、知事、市長を歴任し、その後数年経って、ようやく国政に影響力が持てたとしても、そう簡単に何かを実現できるわけではないのです。

このように、一から階段を上るというのも一つの選択肢ですが、私の場合、もう58歳です。すでに政治的に力があり、自分と考え方が近く、行動力もある人がいれば、そういう人たちに自分のアイディアを売っていくほうが手っ取り早いと考えていました。

だから私は、改革派的な政治家との付き合いが多いのです。今の自民党で言えば、塩崎恭久さん、あるいは河野太郎さんのような人たちに政策のアドバイスをしています。ちなみに安倍首相も気分は改革派ですけど、一度原発関連で説明に行って以来、声がかかりません(笑)。

たとえば、塩崎さんたちが公務員改革を一生懸命にやっている時は、その法案の材料を提供しました。

民主党であれば、野党時代に公務員改革に手を付けた人たちが数名いて、そういう人たちにアイディアを出し、長妻昭さんのように大臣になった人には、改革の助言をしました。

みんなの党の渡辺喜美代表や江田憲司さんに対しては、党結成のときからずっとお手伝いをしてますし、橋下さんが維新の会を立ち上げる際にも、公約集である維新八策の内容を提言したり、大阪のエネルギー戦略会議で脱原発の議論などを主導したりしてきました。こういうやり方で、国の政策に関わっていく方法もあります。

橋下さんからは、大阪に呼ばれ、大阪府市統合本部特別顧問になりました。霞が関とか永田町で改革を目指していてもスピードが遅い。そこで橋下さんは、大阪から日本を変える、というアイディアを持っていました。それは非常に面白く、橋下さん自身、力を持ちそうな政治家だと思えたので、大阪で手伝ってみようと思ったのです。ただ、結果的にはうまく行きませんでしたね。

このように、自分が政治家にならなくても、自分の話を理解し、実行してくれる政治家がいれば政策に関与できます。自分がゼロから頑張るよりも、こういった力のある人たちにアドバイスなどをして動かしていくほうが早いのではないかと思っています。

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