G2 ノンフィクション
2013年10月08日(火) g2

古賀茂明ロングインタビュー
「日本が生き残るための処方箋」 【前編】

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古賀茂明(こが・しげあき) 1955年長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。2011年9月退官。現在、古賀茂明政策ラボ代表。著書『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)ほか多数。

日本が生き残るには

安倍政権になってから、急に世の中の雰囲気が明るくなりました。日本の景気は海外要因に大きく左右されています。今回の景気回復は消費主導と言われていますが、きっかけは、アベノミクスで円安が進んだことです。自動車メーカーなどの利益が大幅に増加し、一部の業種でボーナスが増え、これが消費にも反映されました。

しかし、それらのメーカーがやっていることは、価格競争に過ぎません。つまり、輸出価格が安くなるから円安で喜んでいるのです。

ですが、歴史的に見ると、価格競争をしている限り、必ず後発の発展途上国にある新興企業に追いつかれ、追い越されることになります。新興企業の商品価格は、様々なコストを犠牲にすることで安く抑えられるからです。

おそらく、あらゆる産業において、価格競争で勝利し続けてきた企業は存在していません。

グローバリゼーションは、世界全体で労働賃金などのコストを均等にします。グローバリゼーションで格差が拡大すると言いますが、世界全体で見ると格差は縮小しています。日本人と中国人の給料がだんだん近づいているのはその好例です。

これは、公正なことが進んでいるとみるべきです。ユニクロの『世界同一賃金』宣言について「日本人を貧乏にするのか」という批判がありますが、アジア諸国の若者はユニクロの方針を「公平、公正、透明で素晴らしい」と絶賛しました。

では、グローバリゼーションの中で日本はどのように生きていけばよいのでしょうか。

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