〝名将〟原辰徳監督'13年優勝「(珍)もよおした語録」

「長いペナントレースを制せたのは、自己犠牲をしてくれた選手のおかげです。一言いわせてもらえば、ややもすると一日の長があったということでしょう」

 9月22日に35度目のリーグ優勝を決めた巨人の原辰徳監督(55)は、記者団から連覇の理由を聞かれ目を充血させてこう語った。ちなみに「ややもすると」とは「どうかすると」という意味だが、そんなことを気にする若大将ではない。

 今季も、たびたび報道陣を啞然とさせた〝珍語録〟傑作選を紹介しよう。

 2位・阪神に10ゲーム以上の差をつけ、優勝を確実にした8月下旬。試合前に記者から「好調ですね」と声をかけられた原監督は、「この調子で終盤を乗り切るには若手が出てきてほしい」と言ってから目を見開いてまくしたてた。

「でも『ヨ~イドン!』ではダメ。『ヨイドン!』でね。つまり『ヨ~イ』で、周囲と一緒にゆっくりかまえているのではなく、『ヨイドン!』だと一気に抜けるんだよ。早く出てきてほしいね」

 よほど気に入ったのか、「ヨイドン!」という言葉を使うこと約20回。記者団はただ茫然としていたという。

 今季前半に不振にあえいでいたのは、村田修一(32)だ。5月26日のオリックス戦では好機に三振、守備ではエラーと散々なデキに、指揮官は1回で交代という厳しい決定を下す。

「(村田は)心技体ともに準備できていない! そういう用兵になりました」

 翌日の練習で「村田はやってくれますかね」と問われ、「うん。強い選手がほしいんだ、我がジャイアンツにはね」と奮起を促した。そして村田がマルチヒットの活躍をすると、こう喜んだのである。

「ザマを見せるようになってきた! もうちょっとで、もよおしてきている!!」

【原語辞典】
 ザマ:生き様から派生した言葉。意地や執念を表す。
 もよおす:ある気持ちが起きる、その気になるから転じ、波に乗ることの意味

〝原語〟を翻訳できる記者たちでも、理解に苦しむコメントもある。6月5日の日本ハム戦、小笠原道大(39)が2年ぶりとなるサヨナラ3ランを放ち、逆転勝ち。試合後「あの場面では(代打の切り札)石井義人(35)の選択肢もあったのでは」と聞かれ、「うん」とうなずいてから自信満々に解説を始めた。