【厚生労働 その3】 「介護保険制度」 ~医療保険同様に一律3割負担を!

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介護保険という制度は、新しい制度だ。ドイツにおける介護保険制度を参考にして制度設計され、2000年にスタートした。高齢化社会の進展に伴って、介護が必要な高齢者が増大するのは当然のことである。諸外国でも社会において、高齢者の介護をどうマネージしていくかは、共通の課題だ。

日本でも、政府の社会保障改革の中で介護制度の改革も当然議論されてきた。社会保障制度改革国民会議が、今年の8月6日にまとめた最終報告においても、医療や介護、予防、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築の重要性が示されている。しかし、決定的に欠けているのは、介護保険制度の財政をどう持続可能にするかという視点だ。

2000年に制度が始まった介護保険制度は、当初は給付費が3.6兆円、保険料が全国平均2,911円でスタートした。3年ごとに利用実績をふまえて保険料が改定されることになっており、これまで給付も保険料も上昇し、現在は、給付費が9.4兆円(2013年予算ベース)、保険料が4,972円(全国平均)となっている。厚労省の推計では、団塊の世代が75歳以上を迎える2025年には、介護保険の給付費が21兆円となり、保険料は8,200円程度になるという。

社会の高齢化に伴って増大する介護費用に対して、保険料を上げ続けて対処するのではなく、増大する費用を如何に抑制するかという視点で、制度を変えなければならない。

1. 介護保険の利用者負担を3割へ!

介護保険制度では、介護にかかる費用の1割を利用者が負担し、残りの9割が政府から支払われることになっている。給付は、税金50%、保険料50%で折半だ。

今後、高齢化社会の進展に伴って、介護需要は増大してく。制度のスタート当初には、3兆円台だった介護給付費が、25年後の2025年に21兆円まで膨れあがる。その増大を放置して、税金を注ぎ込み続けるのは避けなければならない。

再度、厚生労働編1で示した私たちの社会保障改革の基本原則を繰り返せば、「医療保険、介護保険、年金という保険制度は保険の範囲内で持続できる制度を目指す」ということだ。

現状では介護給付の半分弱に税金が投入されているが、理想的には保険料で制度を完結できる介護保険が目指されるべきだ。そのためには、医療の議論と同様に、制度の利用者が介護をなるべく使わないインセンティブを制度に導入するしかない。

医療の議論でも、高齢者の医療への過度の依存を抑制するために、利用者負担一律3割を提唱した。介護を医療と区別する絶対的な理屈はない。制度を持続可能にするには、医療と同様に自己負担比率を3割に引き上げ、介護サービスの利用を抑制するインセンティブを制度に組み入れるべきだ。

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