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ITトレンド・セレクト
2013年10月03日(木) 小林 雅一

今、話題の自動運転車は、なぜ自動で運転できるのか? その基本メカニズムを「ベイズ理論」にまで遡って解説

【図3】 カルマン・フィルターの原理: センサーによる位置測定とベイズ定理の適用を繰り返すことで、誤差を徐々に収束させて、移動体の位置を正確に把握する

このようにして得られた鋭いガウス・カーブの中心にあるμ(平均値)が、自動運転車の周囲を動く移動体の存在位置となる。これは、ほとんど誤差を持たない、非常に正確な位置情報なので、これに従って動けば自動運転車は周囲の人や物にぶつかることなく、安全に移動することができるのだ。

驚くべき水準に達した、米国のオンライン大学

さて以上の原理は、実はグーグルの自動運転車を開発した、スタンフォードAI研究所のセバスチャン・スラン(Sebastian Thrun)氏のオンライン講義を、筆者が受講して咀嚼したものだ。スラン氏は自ら「Udacity」というオンライン大学を(確か共同で)設立し、そこで「ロボット用の人工知能」の講座を開いている。誰でも無料で受講でき、しかも一分もあれば登録できるので、もしご関心があれば受講されてみてはいかがだろうか(受講したくなければ、講義内容を見ることだけも許されている)。

ただしスラン氏の講義では、ベイズ定理は既知の前提として、それほど詳しくは解説していない。しかし、その点を除けば、全体の講義はかなり詳しく、それでいて分かり易い。難解な数式はほとんど使わず、ラフな手書きの図を駆使して、直観的に自動運転車の原理を説明している。同氏は第一線の研究者というだけでなく、教師としても優れたスキルを有していることが分かる。

今や、こんな講義を日本からでも受けられるのだから、(多少、英語ができれば)誰でも今後は学びの機会が増えていく。日本の大学でも、こういったオンライン講義がもっと盛んになることが望まれる。

 

著者: 小林雅一
クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場
(朝日新聞出版、税込み819円)
秘書のように問いかけに応えるスマホ、自動運転車、ビッグデータ---。時代を読み解くキーワードは「クラウド」から「AI=人工知能」へ。人間が機械に合わせる時代から、機械が人間に合わせる時代が到来しつつある。IT、家電、自動車など各業界のAI開発競争の裏側を描きつつ、その可能性と未来に迫る。

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