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ITトレンド・セレクト
2013年10月03日(木) 小林 雅一

今、話題の自動運転車は、なぜ自動で運転できるのか? その基本メカニズムを「ベイズ理論」にまで遡って解説

センサーで位置計測を繰り返しながら、徐々に誤差を収束させていく

カルマン・フィルターでは、ミリ波レーダーやレーザー・レーダー、ビデオ・カメラなど各種センサーを総動員して、まずは自分の周囲にいる歩行者や障害物、他のクルマなどを検知し、ここから、それら移動体の存在位置を確率的に算出する。しかし最初、たった一回計測しただけでは、移動体の居場所を正確に把握することは不可能だ。つまり移動体の場所を特定する事前確率は、最初は極めて精度の低い値になる。

しかし、ここからが本当の勝負になる。自動運転車は、自らに搭載された高性能のプロセッサとセンサーをフル稼働し、目にも止まらぬスピードで周囲にある移動体の場所を繰り返し計測し、その度毎にベイズ定理を適用することで、最初は精度が悪かった確率をどんどん精度の高い確率へと改良していく。

この様子をもう少し直観的に表現するためには、移動体の存在位置を示す確率分布曲線が必要になる。カルマン・フィルターでは「正規分布」、あるいは「ガウス・カーブ」などと呼ばれる釣鐘型の曲線を採用する(図2)。

【図2】 正規分布曲線

この曲線は、最初は誤差が大きな、非常に平べったい形をしていたのに、各種センサーによる位置測定とベイズ定理の適用を繰り返すうちに、徐々に鋭いカーブへと移り変わって行き、最終的には、まるで針のようにシャープな曲線になる(次頁図3)。

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