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ITトレンド・セレクト
2013年10月03日(木) 小林 雅一

今、話題の自動運転車は、なぜ自動で運転できるのか? その基本メカニズムを「ベイズ理論」にまで遡って解説

ベイズ定理は、次のような、たった1行の数式で表現される。

この数式を少し書き直すと、次のようになる。

この式の右辺にあるP(B)は「事前確率」、左辺にあるP(B|A)は「事後確率」と呼ばれる。また、右辺には(P(A|B)÷P(A))という別の項もある。これは若干複雑な項だが、非常に簡単に言ってしまうと、「何らかの実験、測定、あるいは観測などによって、私たちにもたらされた新しい情報(つまり実験や測定の結果)」を意味する。従って上のベイズ定理を、純粋な数式ではなく、敢えて普通の言葉に近い形に書き直すと、次のようになる。

事後確率 = (実験・測定・観測などの結果) × 事前確率

これをさらに噛み砕いて説明すると、次のようになる。つまり、「まず最初は『いい加減』というか、かなり適当に決めた不正確な確率(事前確率)から出発し、これを何らかの実験や測定、観測などによって、もっと正確な確率(事後確率)へと改良していこう」という考え方だ。これがベイズ定理の真意なのである。

現実世界にマッチした確率論

ベイズ定理(ベイズ理論)の長所は、それが私たちの生きる現実世界に立脚した、とても現実的な確率理論であることだ。ベイズが生きていた18世紀に主流の確率理論は、いわゆる「客観確率」と呼ばれるものだった。これはサイコロを何万回、何十万回も振った挙句、最終的には1から6それぞれの目が出る確率はいずれも六分の一になる、といった類の考え方だ。現在でも、私たちが中学校や高校で学ぶ確率は、概ね客観確率を中心としている。

ところが、この客観確率は意外と役に立たない。なぜなら私たちの生きる現実世界では、サイコロを何十万回も振るような実験は事実上、ほとんどできないからだ。少なくとも、最初から、そんな理想的な確率を得られることはまずない。

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