消費税8%でも止まらない社会保険料の負担増。安倍首相のアキレス腱は「家計の疲弊」である!
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安倍晋三首相は10月1日、来年4月から消費増税を8%に引き上げることを決断。同時に、消費増税が景気に悪影響を及ぼすのを避けるために、5兆円規模の経済対策を打ち出した。

同日朝発表された日銀短観(企業短期経済観測調査)で大企業の景気判断が大幅に改善、5年10ヵ月ぶりの水準になったことや、すでに発表された4-6月期の国内総生産(GDP)の伸びからみて、消費増税しても景気は腰折れしないと判断した。だが本当に大丈夫なのだろうか?

家計の負担感低減が安倍内閣の必須命題

税率引き上げに伴う増収分は約5兆円と計算されているから、5兆円の景気対策で増税の影響は吸収できる、としている。企業が設備投資をした場合に税金を減免する「設備投資減税」や、企業が給与総額を増やした分の一部を税額控除する「給与引き上げ促進策」のほか、低所得者に現金を配る簡素な給付措置が中心だ。

だが、これはあくまで「計算上」の話。減税措置で本当に企業が設備投資に動くのかは不透明だし、仮に設備投資が増えても、それが個人の所得増に結び付くには時間がかかる。消費税率自体を引き下げるべきだという議論もあったが、反対論の多くは法人減税しても設備投資や個人の給与増に結び付くとは限らないという声だった。

現在、アベノミクスによる景気回復を担っているのは個人消費と公共事業だ。企業の設備投資はまだまだ弱く、その意味では設備投資減税は必要な施策だろう。だが、消費増税がけん引役の消費を一気に冷やしてしまう可能性はまだ残る。安倍首相が繰り返し企業に「給与の引き上げ」を求めているのも、消費を担う個人の懐を冷やしてしまえば、景気が腰折れしかねないという懸念が強いからに他ならない。

NHKの世論調査では安倍政権の支持率は9月も59%と、8月の57%からむしろ上昇している。政権発足直後の1月が64%だったから高水準を維持している。これは安倍首相が推進する経済政策、つまりアベノミクスが支持されているからだ。

景気が回復し、デフレから脱却できるのではないかという「期待感」が広がっている。政権発足から1年も過ぎる頃になれば「期待」だけでは支持を得られなくのは火を見るより明らか。家計が景気回復を「実感」することが不可欠になる。そういう意味では消費増税の家計の負担感をいかに低減できるかが安倍内閣の必須命題だと言えるだろう。

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