バイ・マイ・アベノミクスよりウケた"神様・仏様・リベラ様" 安倍首相を支えるブレーンたち
ヤンキースの背番号42マリアノ・リベラ投手 [Photo] Getty Images

 安倍晋三首相の講演「Buy my Abenomics」が話題になっている。ニューヨーク滞在中の9月25日午後(現地時間)、マンハッタンのウォール街11番地のニューヨーク証券取引所(NYSE)で行った講演でこのワーディングを披瀝したのだ。

 25日のNYSEと保守系シンクタンクのハドソン研究所、そして26日午後の国連総会、安倍首相は3回スピーチを行ったが、取り分け最初のNYSEでの講演が、米国の金融関係者の間で大評判となった。

 なぜか。安倍氏はスピーチの冒頭、オリバー・ストーン監督、マイケル・ダグラス主演の映画「『ウォール街』(1987年公開)で「日経平均」という言葉が出てきたのに、2010年公開のパートⅡには中国人投資家が登場した。
 お金は眠らないとのタイトルが示すように、"お金は儲かる所に流れるという原則は極めてシビアだ"(the principle that money flows to wherever the profits are is decidedly severe.)」と述べたのだ。そしてさらに、お得意の「Japan is back」と続けた。

スピーチは永久欠番の最終試合の前日だった

 安倍スピーチが大受けしたのは、地元のニューヨーク・ヤンキースのクローザーで有名なマリアノ・リベラ投手が26日の試合を最後に引退し、同投手の背番号42が永久欠番になることを踏まえて「リベラのカットボールのように、日本が本来持つポテンシャルを思う存分発揮しさえすれば、日本は復活できる」と言った時だった。

 金融関係者の聴衆を前に映画「ウォール街」から説き起こし、そしてヤンキース・ファンが多い中で彼らにとっての「神様・仏様・稲尾様」のリベラ投手を、しかも最終試合の前日に称えるその絶妙さに、観衆は唸ったのだった。

 以前にも書いたことだが、このスピーチの草稿は、谷口智彦内閣審議官(元日経BP編集委員)が準備したものだ。付言すれば、安倍首相が6月のG8サミット(主要8ヶ国首脳会議)出席後、立ち寄ったロンドンの金融街シティーのギルド・ホールで演説し、英国の金融関係者に「Invest in Japan」を呼びかけて話題となったが、この時もまた谷口氏の手に成るものだった。
 安倍首相の「強さ」の秘密の一つは、卓越したスピーチライターが傍らにいることだ。

 さて、安倍首相は、10月1日に夕に首相官邸で開く記者会見で2014年4月から現行の消費税率5%を8%に引き上げることを表明する。
 予定される15年10月10%については、恐らく「同年春頃の経済・景気の動向を具に勘案して決断したい」といったぼかした表現に留まるのではないか。安倍首相は財政再建に逸る財務省(木下康司財務事務次官)に対してフリーハンドを確保しておきたいと考えているからだ。

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