中国
中国の台頭と日本の凋落の20年を経て、東アジアは「21世紀の第2幕」を迎えた ~2013年「夏のダボス会議」レポート [その4]
清華大学中国・世界経済研究センター主任李稲葵氏 Some rights reserved by World Economic Forum

[その3]はこちらをご覧ください。

中国の論客3人が語る「新しい成長コンパス」

午後には、「新しい成長コンパス」と題したセッションが行われ、中国を代表する3人の論客が登壇した。2011年に中国人として初めて、IMF(国際通貨基金)の副専務理事に就任した朱民、前日に私が議論した李稲葵・清華大学中国・世界経済研究センター主任、そして午前中に気炎を吐いた朱演銘・煕可集団総裁である。

朱民: 伝統的でない金融政策が、各国が取るようになってきた。それもあって、新興市場の成長が鈍化している。もはや誰も、将来の勝者が分からない時代に入ったと言える。ただ、われわれの推定によれば、グローバルな協力を深めることによって、世界経済は全体として、あと1.2%ほど増やせる。中国は持続的な成長のためには雇用の拡大が必要で、雇用を増やすために、いかに社会格差をなくすかがポイントだ。

李: 私はいまから6ヵ月くらいの間に、新たな経済ショックが世界を襲うように思えてならない。そうなっても中国は、世界一の外貨保有高を誇るので、それが緩衝材となるだろう。

今後の中国の持続的成長は、都市化をうまく進められるか否かにかかっていると思う。いまは北京で雨が降っただけで、私のスマートフォンに北京市政府から、警鐘を鳴らす通報が入るほどで、未整備なものが多い。

中国はまた、株式投資の平均リターンが、GDPの成長率より低い稀有な国だ。農業の効率性も、隣の日本に大きく劣っている。いろいろと課題は多い。

朱演銘: 私は中国の最大のチャンスは、農地の開放にあると見ている。いまは農地が集団農場の所有になっており、自由な売買はできない。だが現政権が農地を開放することができさえすれば、中国は継続して、世界経済の牽引役になれるだろう。新たな雇用が農村に生まれることにもなる。

現在の中国の農業生産性は、アメリカの半分にすぎない。大豆は輸入国に転落し、乳牛の生産量は、アメリカの4分の1だ。農地の移転が不自由なので、生産性が上がらないのだ。だから私は中国政府に対して、「農地を開放せよ!」と言いたい。農地には4兆元の利用価値がある。

このように、三者三様の中国の問題点を提起したが、それらが実行されるかどうかは別問題である。

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