経済の死角
2013年09月27日(金) 

米国産天然ガスの価格と日本のエネルギーコスト

〔PHOTO〕gettyimages

文/ 野神隆之(JOGMEC 石油調査部上席エコノミスト)

米国産のシェールガスを含めた天然ガスを液化してLNGとして輸入すれば、日本のエネルギー価格が大幅に下落する、それも速やかに、という議論がある。現在、日本が輸入するLNG価格は原油価格に連動しており、米国内で取引される天然ガスの約5倍の価格となっている。従って今これを輸入すれば日本のエネルギー価格は大幅に下がるに違いない、という議論である。

しかしながら、物事はそう単純ではない。

現在、原油と米国産天然ガスの価格は大幅に乖離しているが、市場関係者の間では、将来的にこの価格差は縮小する、と考えられている。前回ご説明した通り、米国におけるシェールオイルの増産によって原油価格は将来的に下落していくと見られており、それに従って原油価格連動LNGの日本到着価格は、2020年前後に100万Btu当たり(1Btuは1ポンド=約450グラムの水を1華氏度引き上げるのに必要な熱量)14ドル程度になると見られている。

一方で、現在の米国の天然ガス価格では、シェールガスの開発・生産コストに見合わなくなっていることから、まず、その採算ラインに乗せるべく、価格が上昇せざるを得ない、という事情がある。さらに今後、技術的な面で開発・生産の難易度が上昇したり、パイプライン等の輸送インフラが整備されていないところで開発・生産を行わざるを得なくなったりすることから、コストがよりいっそう上昇する、といった展開が想定されている。

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