サッカー
二宮寿朗「2ステージ制移行、何のための制度改革か」

 Jリーグが2015年より2ステージ制に戻る。各地でサポーターから反発の声が上がるなか、9月11日のJ1、J2合同実行委員会で決定し、17日の理事会を経て正式に承認された。

 今回は第1ステージ覇者と第2ステージ覇者がチャンピオンシップ(ホーム&アウェー)を戦って年間王者を決める2004年までの方式は採用されず、ポストシーズン制となる。前期1位、2位と後期1位、2位がたすきがけの1発勝負のトーナメント(仮称スーパーステージ、SS)に出場し、これを制したチームが年間勝ち点1位のチームと対戦(仮称チャンピオンシップ)し、勝者が年間王者となるシステムだ。年間勝ち点1位のチームが、前後期どちらにも2位以内に入らなかった場合はスムーズにチャンピオンシップが行なわれるが、両ステージいずれかで1、2位に入った場合の対応は協議中だという。

新方式は短期的なカンフル剤

 この新制度に対して賛成か反対かと聞かれれば、筆者は反対である。というのも、この制度にはどうしても無理を感じてしまうからだ。

 誰もが「年間勝ち点1位クラブ」を尊重しなければならないことは分かっている。そのうえで各クラブの理解を得るため、世間に認めてもらうために何とかまとめた折衷案と思われ、苦し紛れの感が否めない。今回のシステムでは、たとえ前期で2位以内に入っても、後期で下位に落ちれば、年間順位は低くなる。それでもSSには進出することができるため、リーグ王者になる可能性がある。

 もし年間順位の低いチームがリーグ王者となった場合、必ずや「これでいいのか!」と疑問の声が噴出するはずだ。ファン、サポーターが新方式に「興ざめ」となってしまえば、Jリーグそのものに対する興味まで失いかねない。

 現行の1ステージ制度が望ましいのは誰もが承知しているのに、何故このタイミングで制度をいじる必要があるのか。

 もちろん、Jリーグが全体の観客数が減ってきている現状を踏まえ、危機感を持って改善に取り組んでいることは理解できる。報道によれば現行制度を続けた場合、クラブへの分配金も今後大幅に減額される可能性があり、逆に新制度になれば10億円以上の増収が見込めるそうだ。クラブとリーグ存続の危機を乗り切るためにやむなし、というこうした「消極的賛成」が大多数のクラブの意見なのだろう。

 増収が見込め、地上波での生中継も検討されているとなれば新方式でのリーグはそれなりに盛り上がりを見せるだろう。新たなファン層も獲得できるかもしれない。ただし、である。それはあくまで短期的なカンフル剤にしかならないように思う。何故なら、時代の流れ、世界の流れに逆行しているからだ。

 確かにJリーグは2ステージ制からスタートした歴史がある。サントリーシリーズ、ニコスシリーズなどと冠がつき、チャンピオンシップは大きな盛り上がりを見せた。だが、Jリーグは04年限りで2ステージ制を廃止。翌年から現行制度に移行した。これはリーグが成熟していくにつれ、年間勝ち点1位のクラブを重視するがゆえの自然な流れだったと言える(00年、年間勝ち点でトップの柏レイソルが、ファースト、セカンドステージともに優勝を逃してチャンピオンシップに出場できず、規定上「総合3位」になるという事態が発生)。

 欧州の主要リーグは、言うまでもなく1シーズンにおける勝ち点1位クラブの優勝が常識。それを約10年かけて日本も定着させてきたのだ。ファンもこの制度に納得しているからこそ、今回、反発の声を上げているのである。