藤井元財務相の叙勲受章祝賀会は、"消費増税実現祝賀会"さながらの顔ぶれ

2013年09月21日(土) 歳川 隆雄
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与党の税調会長として3党合意実現に汗をかいた藤井氏

平澤元事務次官とは同期入省の藤井氏は、佐藤栄作内閣竹下登官房長官秘書官(事務担当)、田中角栄内閣二階堂進官房長官秘書官(同)、主計局主計官を経て、76年6月、翌年7月の参院選に自民党公認全国区から立候補するため大蔵省を退官した。同省出身の鳩山威一郎元外相の要請によって長岡官房長(当時)が同省中堅官僚の人選をしていたところ、藤井氏に白羽の矢が立ったのだ。

その後の藤井氏の政治キャリアは改めて紹介するまでもないが、昨年11月に政界を引退するまで参院議員2期8年、衆院議員7期23年務める中で参院大蔵委員長、衆院大蔵委員長、蔵相(細川護煕、羽田孜内閣)、財務相(鳩山由紀夫内閣)、官房副長官(政務担当・菅直人内閣)などを歴任した。1932年6月生まれの81歳。氏の酒豪ぶりは雷鳴轟いているが、筆者が7月下旬酒食を共にした際もその健啖・酒豪ぶりは顕在であった。

野田前首相が挨拶の中で藤井氏を「私の師匠」と述べたのは、藤井財務相の下で副財務相を務めただけでなく、昨年6月に野田政権の下で当時の民主、自民、公明3党合意が実現、「社会保障・税一体改革法案」(所謂消費増税関連法案)が同8月10日に参院本会議で成立したとの認識があるからだ。その際に与党・民主党税制調査会長として党内取りまとめから対自民、公明党折衝で汗をかいたのが藤井氏であった。

と同時に、この野田前首相の挨拶は藤井氏への謝辞に繋がった。同氏はその中で敢えて野田毅氏の名前を挙げて、自分の交渉パートナーとして、政治家として先輩である自民党の野田税調会長がいなければ、3党合意にこぎつけることが出来なかったと語ったのだ。因みに、55年入省の藤井氏に対し64年入省の野田氏は、小沢一郎生活の党代表に次ぐ衆院当選14回の国会議員最古参の一人である。

さて、旧大蔵省の老壮の兵を一同に会した叙勲受章祝賀会のもう一つの側面は、当然ながら、安倍晋三首相が10月1日にも発表する消費税率引き上げへの"ダメ押し" のエールでもあった。アベノミクス(安倍政権の経済政策)は一にかかってデフレからの脱却とする安倍首相が言うデフレの定義に対し、藤井氏は「低位安定」だと異を唱えてきた。だが、それでも既定通りの消費増税に賛成する藤井氏の叙勲受章祝賀会は、さながら消費増税実現祝賀会のようであった。

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