わかりやすい伝え方の法則
【第11回】 わかりやすく説明するために大事なことは? 〈その2〉

〔PHOTO〕Thinkstock by gettyimages

【第10回】はこちらをご覧ください。

相手に合わせた表現にする ~よりわかりやすく説明するために

「わかりやすい説明」に必要なのは、「相手に理解してもらいたいと思う意識」と「相手に合わせて表現を変えること」です。ここから、ふたつめの「表現」についてお話ししていきます。この「相手に合わせた表現」ができるようになると、難しい内容も相手が分かるように伝えることができます。

じつは、これこそが「わかりやすさ」の本質です。わかりやすい説明ができるかどうかは、突き詰めて考えると「表現の使い分けができるかどうか」なのです。

ここでみなさんに質問です。よく「専門用語は難しい」と言われますが、なぜでしょうか? 本当に専門用語は難しいのでしょうか?

説明の中に専門用語が出てくると、聞いているほうは一気に難しく感じます。でも、その専門用語を知っている人からすれば、スッキリしていてわかりやすい表現に聞こえます。

つまり、専門用語自体が難しいのではないのです。そうではなく、専門用語を理解できない人にとっては難しい、というわけです。ですから、専門用語が分からない人には、それに代わる一般的な表現を使って説明すれば、ちゃんと理解してもらえます。

でも、逆に考えると、専門用語を知っている人に、それを使わずに表現をしたら、かえって分かりづらくなってしまいます。

たとえば、誰かに「私は今日、家電量販店に言って、『パソコンを操作するための機械で、コードが付いていて、カチッと押すやつ』を買ってきました」と言われたら、「マウスでしょ?」と聞き返したくなりますよね。もちろんマウスは今では専門用語とは言えませんが、マウスを知っている人からすれば、はじめからその言葉を使ってくれた方がすっと頭に入ってきます。

一方、マウスを知らない幼児には、「お茶碗をさかさまにしたような形で、そこからヒモが出てるもの」と説明してあげたほうがいいかもしれません。

また、パソコンに詳しくないお年寄りには、「パソコンの操作をするリモコンみたいなもの。ネズミみたいなかたちして、しっぽみたいなコードがついている」という表現をしてみる。細かいことですが、お年寄りに対して「お茶碗を逆さまにした形」とか「ヒモが出てる」とかいうと、お年寄りは本当にお茶碗を逆さまにした円錐状の物体をイメージしてしまうかもしれませんね。

要するに、ある人にとってわかりやすい表現も、別の人にとっては分かりづらい表現になるのです。だから、わかりやすい説明をするということは、相手によって表現を変えて、「相手に合わせた表現」をするということなんです。

これができるようになれば、聞き手の年齢や知識を問わず、自分の説明を理解してもらうことができます。つまり、わかりやすい説明ができるようになるのです。

「意識」を土台にして、その上で適切な表現ができるようになれば、誰でも、よりわかりやすい説明ができるようになります。

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