サードプレイス×現代ビジネス
2013年10月15日(火)

田原総一朗 × エズラ・ヴォ―ゲル【前編】
「経済を自由化し、政治は自由化しなかった鄧小平はなぜ国家主席にならなかったのか」

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[左]エズラ・F・ヴォーゲルさん(ハーバード大学ヘンリー・フォード2世社会科学名誉教授)、[右]田原総一朗さん(ジャーナリスト)

※この対談はヴォ―ゲル氏の新刊『現代中国の父 鄧小平』(日本経済新聞出版社)の出版を記念して行われました。

田原: エズラ・ヴォーゲルさんと言えば、やっぱり何と言っても1979年に書かれた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で、この時は日本は全盛期でした。ところが1989年から日本は苦しくなってきて、苦戦を強いられています。このように日本が苦戦を強いられた、苦しくなった原因は何だと思いますか?

ヴォーゲル: 僕はそれは経済の発達による当然の結果だと思うんですね。以前は日本人の賃金は安かったので、労働コストが非常に低かったんです。それがどんどん高くなって、先端技術を作りました。ですから当然賃金が高くなって全世界に対する競争力が以前ほどではなくなりましたね。今では韓国、台湾、中国といったところが似たようなものを作れますし。

『現代中国の父 鄧小平』
著者=エズラ・F・ヴォ―ゲル
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ですから、別に日本のやり方が悪いからだとは僕は思いませんね。あれは世界の経済の発達と共に自然にそうなったんだと思います。

それから、僕の理解では、1980年代の終わりのほうのバブル経済の対処を誤ったと思います。プラザ合意ができてから、日本の政府は対応を誤ってバブルをどんどん煽ってしまったところがありますね。もう少し早い時点で対処したほうがよかったと思います。

僕の理解ではその二つが原因じゃないかと思いますから、誰が悪いとかそういう問題だとは思いませんね。

田原: 今の日本をどう見てらっしゃいますか?

ヴォーゲル: 最近安倍政権がアベノミクスを掲げていますが、多少現金を増刷して金融緩和をしていますよね。先ほどおっしゃったように、1989年から今までは日本経済はそれほど成長していませんが、僕の理解ではそれほど悪くもないと思いますね。

大体、新聞記者は新聞の経済面を株主のために書いているところがありますよね。日本の成長率は低い、株主は投資しない、と、そういう人たちのために経済面が書かれています。だけど、僕が思うのは、日本の社会はそれほど悪くないということです。

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