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【独占インタビュー90分】小泉今日子わがアイドル時代、そして『あまちゃん』のことを語る
取材・文:一志治夫

 10代の頃から周囲を大人に囲まれ、自分が「アイドル」であることを心得ていた。あれから30年。いつ自分を見失ってもおかしくない境遇だったのに、なぜキョンキョンは、格好よく生きられるのか?

なぜ「やる気」になったのか

「"朝ドラ"は、友だちがお母さん役やお父さん役で出ていたりして、ここ何年か欠かさず見ていたんです。彼らからは、撮影がすごく大変だって聞いていたし、私自身、"国民的"みたいなところにあまり近づかないようにしてこの何十年間は生きてきた感じがするんですね。だから、最初に朝ドラという言葉だけ聞いたときは、めんどくさ、という気持ちになったんです。

 もともと私は、アイドルという役割から始まっているから、"国民的"というのは、ある種経験してきたことで、だから、あえて違うことを経験したいとこれまでやってきてたんです」

 しかし、小泉今日子(47歳)は『あまちゃん』の出演オファーを快く受けた。昨年初春のことだった。

 その理由は、脚本を手がけるのが宮藤官九郎だったからだ。二人は、'03年にドラマ『マンハッタンラブストーリー』で仕事をしており、小泉は宮藤に対して絶大な信頼をおいていた。

「NHKが宮藤さんで朝ドラをやるというのは、双方ともにチャレンジな事で、これはすごく"攻める"ことになるな、という感じがした。そういう場で私は、意外と力が発揮できるんです。いつも何かと戦いたくて仕事をしているので」

 主人公アキの母で、かつてアイドルを目指していた天野春子の役が小泉に定まると、他の役者やストーリーが次々と決まり、物語は動き出していった。

「宮藤さんは、舞台の人だからか、ひとりひとりの役が印象に残る人ばかりなんです。捨てキャラがいない。アイドル志望のGMTの子たちも北三陸の人たちも、全員が愛称で呼びたくなるような。宮藤さんは、自分の書くキャラクターに愛情があるんですね」

 北三陸で撮影に入ってみると、宮本信子、渡辺えりらそうそうたる役者たちとの共演で、思いのほか楽しい現場になったという。

「やってみたら全然めんどうくさくなかった(笑)。特に、前半の北三陸編は、みなさん本当に個性ある、おもしろい役者さんが揃ってて。その人たちのお芝居を見るのも楽しいし、お芝居がないときは、みんなで集まってわいわいゲラゲラくだらない話をして。