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国税もビビるドラマ『半沢 直樹』あんな嫁がほしい

 舞台を東京に移し、120億円の特別損失を抱えたホテルの再建に奔走する半沢直樹。金融検査官との対決と半沢を支える妻の活躍も見逃せない。その検査の実態と妻たちの世界を金融関係者が語る。

金融検査でガチンコ勝負

 TBSのドラマ『半沢直樹』が瞬間最高視聴率30%台を維持して快進撃中だ。

 物語の舞台は前半の大阪西支店から一転。東京本部に移った。そして、半沢直樹の勤める東京中央銀行に入った金融検査を、どう乗り切るかが焦点のひとつになっている。

 歌舞伎役者・片岡愛之助演じるオカマの検査官・黒崎は、大阪篇では出向先の国税局職員として半沢と対決した。

 大蔵省に入省し、金融行政の現場をつぶさに見てきた嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、自らも金融検査官として大手銀行の検査に参加した経験をもつ。

「銀行マンからみれば、検査官は憎っくき存在です。検査官が検査に入ると銀行側は様々な書類を用意することになりますが、なかにはそれを『これじゃダメだ』とポンと投げて突っかえす検査官もいるようです」

 ドラマのなかでも、検査官の黒崎が、いらだちまぎれに書類を放り出す場面があった。まさに検査は銀行マンと検査官の仁義なき戦いの場なのである。

「ただ、対決すると言っても金融検査官と銀行マンの力関係は、完全に金融検査官の方が上。検査官は銀行の言い訳などほとんど聞きません。銀行側も金融検査官への応対に下っ端など出さない。下っ端の行員がヘタなことをして不手際があったら大変なことになる。

 実際、金融検査官に応対するのは、支店なら支店長が多い。彼らは40~50代ですが、一方の検査官には若手だと20代もいる。普段はふんぞり返っている支店長が年下の検査官に一生懸命、説明をするわけです。ところが、『ダメですね』と一言で『×』を付けられたりする。腹を立てるのもわかります。検査報告でダメだと言われれば、成績にも影響するんです」(高橋氏)

 それでも銀行側は、検査官の心証を悪くしてはいけないと、ひたすら耐え忍ぶ。半沢たちが、検査官が来ると聞かされるたびに見せる苦々しい表情と嘆息は、銀行マンたちの心理を生々しく写しとっている。

「ドラマですからあまり指摘するのも無粋ですが、現実の検査とは相違もある。