「講座: ビジネスに役立つ世界経済」
【第18回】 中国経済の現段階と今後について

〔PHOTO〕gettyimages

現在の中国経済は、安定成長への移行局面にある

最近、「今後の中国経済についてどう考えるか」という質問を受けることが多い。そこで、ここでは、筆者なりの今後の中国経済についての考え方を整理したい。

まず、中長期的な中国経済の発展段階は、「現在の中国経済は、安定成長(=低成長)への移行局面にある」ということだと考える。中国国家統計局によれば、2011年時点の中国の1人当たりGDPは、3万5,181元(世界銀行のドル換算値では5,447ドル)で、これは中所得国の上位に位置するレベルである。そして、この1人当たりGDPの拡大ペースを高度経済成長期の日本と比較すると、ちょうど1972年頃の状況と重なる。

日本で「1972年」といえば、1971年8月15日のニクソンショックを受けて、為替市場が固定相場制から変動相場制に変わった局面である。当時、日本国内では、田中角栄首相(当時)による「日本列島改造論」の構想の下、不動産ブームから地価が高騰した局面でもあった。さらには、第一次石油ショックもあり、インフレ率が高騰した。

この一連の「ショック」を経て、日本経済は高度経済成長の時代を終え、その後は安定成長期に移行した。「1972年」は日本経済にとって転換期となった。この構図にあわせると、中国にとって、「2013年」ないしは、「2014年」あたりが、転換点となるだろう。

この「1972年」の日本と現在の中国の共通点を考えると、インフレ圧力と不動産ブームの後始末という状況が指摘できる。例えば、地方部では、不動産ブームを支えてきた「シャドーバンキング」の存在が問題視され、不動産ブームの後始末をどのように行うかが中国経済の焦点の一つとなっている。

また、シリア問題の混乱から原油価格も1バレル=100ドル台と高騰している。中国政府は、景気減速に対応するために金融緩和などの措置を数回実施したようだが、経済成長率を押し上げる前にインフレ率(及び不動産価格)が上昇してしまい、緩和政策の効果はそのままインフレ率の上昇につながってしまう状況が続いている。

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