全国・金の卵探訪シリーズ
「プロの正捕手」に近いのは森友哉か内田靖人か

 谷繁元信(42・中日)、里崎智也(37・ロッテ)、阿部慎之助(34・巨人)……。扇の要の高齢化に頭を悩ませるプロ野球各球団にとって、今年は待ちに待った〝打てる捕手〟の当たり年だ。

大阪桐蔭森友哉 森に目指す選手像について聞くと、「谷繁選手のように長くプレーできる選手になりたい」と語った

 今夏の甲子園不出場組でも、9月1日にプロ志望届を提出した帝京高(東東京)の石川亮(18)、〝神主打法〟の強打者で、18歳以下日本代表にも選ばれた花咲徳栄高(埼玉)の若月健矢(17)などドラフト有力候補がいる。しかし、筆頭格は大阪桐蔭(大阪)・森友哉(18)だ。

 身長170cm80kgの右投左打。この小柄な高校生No.1捕手に、スポーツライター・小関順二氏も賛辞を惜しまない。

「森はバッティングが素晴らしい。スイングで余計なことをしない、というのがいいんです。バットのヘッドが立っているので、ボールに最短距離でバットが出てくる。普通の高校生はバットが寝ちゃうんですよ。キャッチングもうまいので、ピッチャーは安心できますよ」

俊足巧打で肩の強さも文句なしと、走攻守のバランスが◎。'10年の山下斐紹(現ソフトバンク)以来、3年ぶりの高卒捕手1位指名か

 バッティングは、中田翔(24・現日本ハム)や中村剛也(30・現西武)などそうそうたる打者を育ててきた、大阪桐蔭の西谷浩一監督をして「(ボールを)捉えるセンスなら歴代№1」と言わしめるほど。

 森が野球を始めたのは、小学校入学の1年前。最初は投手兼内野手だった。捕手の練習を始めても、その強肩を買われてたびたび投手を任された。中学時代には堺ビッグボーイズに所属し、2度の全国大会を経験する。森の父、隆さんが彼の幼い頃を回想する。

「やんちゃでしたね。見たまんまのガキ大将でした。他のお子さんたちに迷惑をかけることも多々ありました。かけた迷惑の内容? とても言えません(笑)。でも、(大阪)桐蔭に入ってからは、落ち着いたように思いますね」

 高校に入学すると、1年秋からベンチ入りを果たす。藤浪晋太郎(19・現阪神)とバッテリーを組み、2年時には史上7校目の甲子園春夏連覇を成し遂げた。最後の夏の甲子園では、惜しくも3回戦で明徳義塾(高知)に敗れたが、1回戦の日本文理(新潟)戦で放った2打席連続ホームランは鮮烈な印象を残した。

 8月30日に開幕したIBAF18UW杯(16~18歳代表による世界野球選手権大会)では、桐光学園(神奈川)の松井裕樹(17)ら並み居る各校のエースたちを強気のリードで引っ張る。