経済の死角
2013年09月13日(金) 

シェールオイルは世界の石油需給にどのような影響を及ぼしたか

アメリカのシェールオイル採掘現場 〔PHOTO〕gettyimages

文/ 野神隆之(JOGMEC 石油調査部上席エコノミスト)

シェールオイルが当初の市場の見込みを大幅に上回って増産されており、市場関係者の間で今後も増産されていくと見られるようになってきているということは、前々回述べた。では、シェールオイルは石油市場をどのように変化させたのか、ということについて見ていきたい。

シェールオイルが増産される以前の米国では原油の生産量が減少気味であり(同国の2000年代半ばの原油生産量は1990年代初頭の3分の2程度であった)、従って石油輸入量が将来的に増加すると見られていた。また、世界を見ても、非OPEC産油国の生産量は今後伸び悩む一方で、発展途上国の経済発展とともに石油需要が増加することから、結果として世界の石油供給に占めるOPEC産油国の占有率と市場支配力が上昇するものと予想されていた。

OPEC産油国は原油価格の高値安定を事実上の目的としていることから、原油価格は将来に向けて上昇傾向になるだろう、というのが2008年当時の市場関係者の見方であった。しかしながら、米国でシェールオイルが増産された結果、同国の原油生産量が大幅に跳ね上がり、現在では1989年以来の水準にまで戻っている。これに伴い、2000年代半ばにかけ増加基調であった米国の石油輸入量も減少傾向に転じている。

特にシェールオイルは、普通の製油所で処理するとガソリンや軽油を主に生産できるような比重の軽い「軽質原油」であることから、品質が類似する軽質原油を米国向けに輸出していたアリジェリアやナイジェリアといった産油国が影響を受けている。そして米国で受け入れられなくなった軽質原油は他の受け入れ先を求めるようになった。

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