川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」

2020年東京オリンピックは日本にとって最高のアピールチャンス

2013年09月13日(金) 川口マーン惠美
upperline
1964年 東京オリンピックの開会式 〔PHOTO〕gettyimages

東京オリンピックと聞くと、今でも私は即座に1964年のオリンピックを連想する。白黒テレビだったはずなのに、私の脳裏には真っ青な空が広がり、そこを貫くファンファーレの音がはっきりと聞こえる。

エチオピアのアベベ選手が裸足で走り、しかも、42キロ走った後、まだ余裕たっぷりだったのが、子供心にも驚異だった。そういえば当時、私の通っていた小学校では、週に1度か2度、テレビ授業というものがあり、テレビ室で理科や社会の教育番組を見たが、担任の若い女の先生が、どうしてもオリンピックを見たくなったらしく、皆でこっそりオリンピック中継を見たことも鮮明に思い出す。

とにかく、私たちにとって、東京オリンピックの思い出は強烈だ。あのころは、世界がキラキラと輝いていた。経済成長が始まり、世の中に躍動感があった。夢と希望、そう、安倍首相のブエノスアイレスのスピーチの、まさにあの通りだった。

できることなら、ああいうワクワクする気分を、今の子供たちにも味あわせてやりたいと思うが、オリンピックなど、今の子供たちにとっては刺激が弱すぎて、大してエキサイトしないのだろうか。

経済的利益を超える大いなる効果に期待

今回、2020年のオリンピック開催地が東京に決定した理由はいろいろ挙げられるが、日本人の心が久しぶりに一つになりかけている今、これはまさに時の運としか言いようがない。小さな熱帯性低気圧として始まった安倍政権は、あれよあれよという間に成長して、周りの物を巻き込み、台風になろうとしている。その安倍首相の強運がオリンピックを東京に引っ張ってきた。しかも、台風はまだまだ成長する気配だ。

次ページ 東京オリンピックは、日本にとっ…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事