二宮寿朗「2019年サッカー女子W杯招致を!」

 2020年のオリンピック開催地が東京に決まった。イスタンブールとの決選投票は60-36と圧勝。被災地支援とスポーツの力、「オ・モ・テ・ナ・シ」の心に、汚染水問題における安倍晋三首相の安全性アピール……最終プレゼンが決め手となったのは間違いないだろうが、やはり事前のロビー活動がかなり効いていたように思う。招致委員会は02年の日韓サッカーW杯を実現させた関係者をスタッフに招き、JFA(日本サッカー協会)の川淵三郎最高顧問、小倉純二名誉会長、大仁邦弥会長ら、トップもブエノスアイレス入りしていた。日本サッカー界も大きく貢献していたのだ。

東京五輪につながる招致の意義

 ロンドン五輪では、開会式の前に先陣を切ったサッカーが勢いをつけたことで、その他の競技のメダルラッシュにもつながった。東京五輪でもサッカーの役割は重要になってくるだろう。その東京五輪の前年の19年にはラグビーW杯が初めて日本で行われる。既に大会組織委員会も本格的に動き出しており、7月には元木由記雄氏ら元代表選手6人がアンバサダーに任命された。19年に完成予定とされる新国立競技場がメイン会場として、東京五輪に先駆けて使用される予定だ。

 実は同年には、サッカーの女子W杯が控えているのだ。その開催地に日本は立候補するかどうか、まだ態度を明確にしていない。日本が立候補すれば“本命”になる可能性は十分にある。というのも、昨年9月、FIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長が、日本で開かれた会見で「(11年は)欧州、そして(15年は)北米と続くのでその次にアジアでやるのはいい道ではないか」とアジア開催に前向きな発言を残しているためだ。アジアで女子サッカー人気が定着している国がそれほど多くはないだけに、ライバルも少ない。

 サッカー女子W杯は6~7月に開催予定のため、9~10月開催のラグビーW杯と日程的には重ならない。しかしながら、JFAが態度を明確にできない理由として考えられるのが、ラグビーW杯への配慮。つまり、生まれ変わった国立競技場の最初のイベントがラグビーではなく、サッカー女子になるということを申し訳なく思っているのだ。また、ラグビーW杯はJリーグクラブのホームスタジアムが会場になっている。加えてサッカー女子W杯もということになれば、Jリーグ側との調整も難しくなってくる。こうした諸問題が立候補に踏み込めない要因なのだろう。だが、五輪前年ということを考えれば、インフラも整備されて招致しやすい状況ではある。また、なでしこジャパンが活躍して東京五輪に弾みをつけられる展開となれば、国民のスポーツへの関心が膨らみ、五輪ムードが一段と高まるはずだ。