辻秀一 第1回 「物語に見え隠れするスポーツの深層心理を紐解いた『スラムダンク勝利学』」

撮影:立木義浩

<店主前曰>

いまから13年前、わたしがまだ集英社インターナショナルの発行人をしていたころ、辻秀一ドクターの『スラムダンク勝利学』を編集して発売した。これが飛ぶように売れて会社の財政を一挙に豊かにしてくれた。

先日近所の有隣堂でみていたら、発行人は何代も代わったようだが、なんと42刷であった。いまでも書籍は多く発行されるが、初版で夭折し絶版になるケースが多いなか、『スラムダンク勝利学』はまだロングセラーとして健在である。

いまでも辻ドクターの著書はわが古巣に貢献しているのか、と思うとうれしくなった。累計35万部強は売れているだろう。久しぶりに辻秀一ドクターに再会したが、まるで昨日別れたばかりの友のように会話が大いに弾んだ。

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立木 セオはまだか?

シマジ セオは今日はのっぴきならない急用が出来たのでこられません。その代わりに編集部からヒノがきています。

ヒノ ヒノと申します。よろしくお願い致します。

立木 ヒノ、偉い。編集者はカメラマンより先にくるもんだ。セオはいつも汗をかきかき、「スミマセン、スミマセン」といいながら、おれより遅れて転がるようにして駆けつけてくるのがけしからん。でもなぜかおれはあいつが可愛いんだ。

ヒノ スミマセン。

立木 お前が謝ることはない。