社長の風景

小さなミドリムシが役に立っている。だから私は「この世に、くだらないものなど何一つない」と考えています。

ユーグレナ 出雲充

2013年09月12日(木)
週刊現代
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人類の救世主になるか!? と注目される企業だ。社名の『ユーグレナ』はミドリムシの学名。ミドリムシは「虫」ではなく、植物のように光合成し、動物のように動く、「藻」の一種だ。株価急騰でも話題になった同社の創業者・出雲充社長(33歳)に聞いた。


小さなミドリムシが役に立っている。だから私は「この世に、くだらないものなど何一つない」と考えています。いずも・みつる/'80年、広島県生まれ、東京都育ち。'02年に東京大学農学部を卒業し、東京三菱銀行勤務を経て、'05年8月に株式会社ユーグレナを創業。同年12月、世界で初めてユーグレナの食用屋外大量培養に成功。'10年からは内閣官房知的財産戦略本部『知的財産による競争力強化・国際標準化専門調査会』委員も ※ユーグレナのwebサイトはこちら

起源

ユーグレナなどの藻類なしでは、人類は誕生、繁栄できなかったと考えられます。ユーグレナが生まれた5億年前、地球の大気は今より二酸化炭素が多く、酸素がありませんでした。しかし酸素が生まれると、生物はエネルギーを効率よく燃焼させることが可能になり、生き残るため、歩き、考えるなど、複雑な動きをするようになった。このとき、酸素を生んだのがユーグレナなのです。

命の源

ユーグレナは0・1mm程度。緑色ににごって見える水たまりにもいる、ありふれた存在です。しかし、我々が食べているマグロやサバなどの大きな魚も、食物連鎖の大元はユーグレナ。じつは、酸素と食べ物の源なんですよ。

食料と燃料

弊社は2つの目的をもって人類に貢献します。まずは健康。ユーグレナは、ビタミン類、ミネラル類など、59種類の栄養素を含んでいます。私は漫画『ドラゴンボール』世代なので、作中の「仙豆」を思い出します。ポイッと口に入れれば飢えがしのげるイメージです。しかも光合成で二酸化炭素を炭素と酸素に変えるから、バイオ燃料としても使えます。ユーグレナから油を抽出、精製すると、ジェット燃料ができるんですよ。

販売 緑汁など製品の販売をする「ユーグレナ・ファーム」発表会の様子。出雲氏の左にある自動車は、ユーグレナ抽出バイオ燃料を使って走る移動販売車

想像力

父はサラリーマン、母は専業主婦、東京都下の多摩の、とても平凡な家庭で生まれ育ちました。人生が変わったのは、大学1年の夏休み。社会問題に興味があったため、初めての海外旅行先にバングラデシュを選び「世界最貧国だけに、おなかをすかせた子供ばかりいるのか」という先入観を持って訪ねました。

ところが予想に反し食物は豊富で、みんな一日3食、おいしいカレーを食べていた。手づかみで食べるのですが、手からスパイスが染み入ってくるようで、余計おいしく感じた記憶があります。しかし具がほとんどない。サラダもない、デザートもない。食事にビタミンもミネラルも含まれていないから栄養失調だったのです。仙豆のように、ポイッと口に入れれば解決できるようなものはないかと想像し、翌々年、農学部へ転部。ユーグレナと出会ったとき「これぞエースで四番!」と思いました。

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