東京五輪、インフラは大丈夫? 汚染水・空港・テレビにまつわる諸問題
6年越しの招致活動実る [Photo] Getty Images

 2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が日本時間の8日早朝に決まり、国内はお祝いムードに包まれた。
 株式市場でも経済全体に好影響がありそうだと歓迎する動きが広がり、週明け9日午前の寄り付きの日経平均株価は前週末比でほぼ280円高と大幅に反発して始まり1万4000円台を回復した。

 しかし、浮かれてばかりはいられない。オリンピック・パラリンピックの開催となれば、インフラ(社会基盤)の状況を今一度早急に検証する必要がありそうだ。

 東京都の招致委員会によると、2020年東京オリンピック・パラリンピックの直接的な経済波及効果は2兆9609億円(雇用増加数は15万2202人)と見込まれている。
 これは2002年のFIFAワールドカップサッカー大会日韓大会のうちの日本分の3兆3049億円(電通総研集計)の89.6%に相当する。年間の名目GDP(474兆6045億円、2012年度)に比べると1%にも満たない。

すでに2020年東京五輪株は急騰

 それでも、競技施設の新・増設という実需への期待は大きく、9日の株式市場では鹿島建設が前週末比48円高の409円、大成建設が同じく71円高の478円と急騰して始まった。
 すでに東京都は関連施設の建設費用として45億ドルの建設資金を用意しており、国立競技場の改修費用などに充てるという。
 この辺りの財政基盤の強さは、今回のオリンピック招致成功の勝因のひとつとされている。

 だが、幅広くインフラストラクチャ(社会資本・基盤)を見渡すと、強いとばかりは言えない現実も浮かび上がってくる。

 1964年の東京オリンピックでは、環七、環八といった都内の幹線道路のほか、首都高速道路、東海道新幹線、地下鉄などの整備が進んだことが知られている。
 今回も老朽化する施設の点検・補修など、壮大な需要を生む可能性を秘めている。

 ただ、インフラの面では、内外の信頼を裏切りかねないリスクもある。

 その第一が、安倍晋三首相が日本時間の8日早朝(現地時間の7日夜)にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況は制御できている」「東京には今までもこれからも何のダメージもない」と手放しの"保証書"を出した東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題だ。

 政府はIOC総会に先立つ今月3日、これまでの東電任せの姿勢を改めて汚染水問題に「前に出て取り組む」方針を打ち出し、470億円の国費(財源は2013年度予算の予備費)を投じて収束に乗り出す方針を打ち出した。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら