フジテレビが視聴率争いで4位に転落した原因は何なのか!? ~連ドラの不振と「韓流騒動」の背景を考える
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2012年度の視聴率争いで、テレビ朝日、日本テレビの後塵を拝したフジテレビが、今年8月のゴールデンタイム(午後7時~同10時)、プライムタイム(午後7時~同11時)の視聴率争いでTBSにも抜かれてしまい、4位に転落した。

ゴールデンタイム、プライムタイムは各局の主戦場。8月のTBSには『世界陸上』という魅力的なコンテンツがあったが、テレ朝と日テレのAクラスは動かなかったのだから、フジの4位転落という事実は重い。2012年度の結果は、万年Bクラスだったテレ朝が浮上して、相対的にフジが落ちたという見方が順当だったと思うが、今回は事情が違う。純粋にフジが負けてしまったのだ。

連ドラはバクチのようなもの

フジ転落の理由をひと言で片付けてしまえば、それは連続ドラマの不振だ。プライムタイムにおけるフジの連ドラ枠は各局の中で最多の5つ(うち1つは系列の関西テレビの制作)で、連ドラで勝負しようとしていることは明らかだが、その連ドラが振るわないため、苦境に陥っているのだ。

フジの7月期ドラマで、視聴率15%前後の合格水準に達しているのは、『救命病棟24時』だけ。鳴り物入りで始まった『ショムニ2013』や織田裕二が初の父親役に扮した『Oh, My Dad!!』、さらに広末涼子の17年ぶりの主演作『スターマン~この星の恋』(制作・関西テレビ)の視聴率は、いずれも10%を割り込んでいる。シングル番組(視聴率が一桁の番組)が3つあるようでは、他局に勝てるはずがない。

約2年前に日テレの『家政婦のミタ』が視聴率40%を記録した際、あるフジの幹部は切歯腐心した。けれど、同時に奮い立ったという。「まだドラマで昔のような視聴率が取れる」。その見方は確かであり、5つのドラマ枠を用意した戦略は間違っていなかっただろう。近年における視聴者のドラマ回帰の傾向は本物に見える。しかし、皮肉なことに、それを証明したのは、『半沢直樹』(TBS)だった。

日テレとフジが激しいマッチレースを続けていた1990年代後半、日テレの首脳から「連ドラはバクチ」と教えられた。なるほど、連ドラは蓋を開けてみないと勝敗が分からず、事前の予想は当てにならない。事実、前評判は『半沢直樹』より『ショムニ』のほうが高かった。それなのに放送が始まると、立場は完全に逆転した。

バラエティーで20%、30%の視聴率を得るのは難しく、しかも人気番組に育つまでには時間がかかる。一方、連ドラは口コミによって瞬く間に視聴率が跳ね上がる。『半沢直樹』は第2話で早くも20%を超え、第8話では30%に達した。当たれば大きく、まさにバクチだ。半面、劣勢になると、バラエティーと違ってテコ入れが難しい。『ショムニ』も初回で18.3%を得ながら、第3話で9.9%にまで落ち込み、再浮上できていない。

バクチにも連ドラにも「勝利の方程式」はない。そんなものが存在したら、胴元は大損だし、誰だってヒットメーカーになれる。それなのにフジは7月期の連ドラでは勝ちへの近道を探してしまい、隘路に入り込んでしまったのではないだろうか。

大ヒットドラマのリメイク、人気俳優の新しい一面を出す---。作家の湊かなえさんが脚本を書き下ろした『高校入試』(2012年12月終了)のように、チャレンジングな連ドラも作れるのに、それが見当たらなかったのは残念だった。

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