2020年東京五輪決定で、アベノミクスに強力な4本目の矢が加わった!
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ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京が2020年夏季五輪・パラリンピック開催都市に決まった。1964年開催以来、54年ぶりの開催となる。ここに至るまでの関係者の努力を多としたい。

IOC委員の投票は無記名なので、どの議員が、どういう理由でどの選択をしたのか、全く分からない。最後のプレゼンテーションの出来映えが結果に大きな影響を及ぼしたと言われているが、水面下での政治的駆け引きも激しかったと思われる。それに、様々な事件が微妙にIOC委員の選択を左右する。

今年の初め頃はイスタンブールが最有力とされていたが、その後の反政府デモ、そして隣国のシリアの混乱がマイナスに働いたようである。また、最近ではマドリードの優位が伝えられたが、経済状態が改善しないことが足を引っ張ったと思われる。東京は、福島の汚染水問題が世界中に報道され、負けるとすればそれが原因となると言われたが、結局は日本側の説明が功を奏したようである。

東京五輪は災害に強い国土を作る最適の機会

オリンピックは、まさに国際政治そのものであり、外交的手腕も問われる。そして、カネの力も大きい。発展途上国に対する経済援助なども、有効な武器となる。国際的にも、国内的にも、スポーツが一大産業となり、関連産業までも含めて、利権や政官業の癒着といった黒い側面があることもまた忘れてはならない。

東京五輪の経済効果は、数兆円から100兆円を超える額まで、エコノミストがいろんな予測をしている。スポーツ施設の建設や、交通など関連インフラの整備で大きな需要が生まれる。また、7年後という具体的な目標が決まったので、工程表を作り、着実に景気刺激策を進めることが可能となる。精神的にも、世の中が明るい気分となり、被災地東北の復興にもプラスとなろう。

1964年の東京五輪開催は、新幹線、首都高速道路などの交通インフラの整備から始まって、日本が先進国の仲間入りをするための条件整備を可能にした。オリンピック開催がなければ、先進国入りはもっと遅れていただろう。そして、東京という大都市も大きく変貌した。多くのスポーツ施設が建設され、都民が今はそれを活用している。駒沢オリンピック公園の辺りは、五輪前と後とでは大きく町の様相が変わり、多くの住宅が建設された。

それでは、2020年の五輪は、日本や東京にとって、どのように位置づければよいのであろうか。私は、災害に強い国土を作る最適の機会だと考えている。福島原発事故が候補地東京のアキレス腱とされたように、地震や津波などの自然災害は日本の宿命である。南海トラフの活動も不気味である。しかし、私たちの叡知を結集すれば、被害を最小限にすることは可能である。そのためには、建造物の耐震化などを、さらに進める必要がある。

そしてまた、地球環境の変化とも戦わねばならない。今年のような猛暑の中で、たとえばマラソン競技は過酷にすぎる。選手や競技関係者の熱中症を気にしなければならなくなる。そこで、高層ビルを建設する過程で、東京湾からの風が内陸部まで吹き抜けられるようにする必要があるし、もっと緑を増やすことを考えてよい。「2020年までに」を合い言葉にすれば、普通では出来ないような大きなプロジェクトも実現可能となろう。

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