フィンランドの「核廃棄物」最終処分場を見に行って 小泉元首相がいま思っていること

2013年09月10日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 人類は現在、核燃料を使ってエネルギーを生み出したり、兵器を作ったりする方法は知っているが、その後に出る"ゴミ"を安全に処理する方法を見出していない。手の施しようのないものは、見ないことにして土の中に埋めてしまうしかない。オンカロは、原発が抱える大いなる矛盾を象徴する施設だ。

「小泉さんは首相退任後、国際公共政策研究センターというシンクタンクの顧問についています。そこで参加者を募り、フィンランド視察を行いました。同行者は、主に原発施設に関係する、いわば推進派の企業から来ていました」(シンクタンク関係者)

 どうもチグハグな組み合わせだが、企業サイドにも狙いがあったようだ。いまだ国民の間で人気を誇る小泉氏を、道中説得して原発推進派に引き入れようとの魂胆もあったという。

 だが、小泉氏はそれを突っぱねた。推進派への鞍替えを勧める人々に対し、逆に「むしろ脱原発への意志が強まった」と言い放ったのが、冒頭の言葉である。この経緯は、毎日新聞の山田孝男編集委員によるコラム「風知草」(毎週月曜掲載)で紹介されている。

 小泉氏は、こう語ったという。

〈「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」〉

〈「今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」

「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」〉

〈「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」〉(毎日新聞8月26日付・風知草より)

なぜ安倍はわからないのか

 原発推進の国策から撤退せよ—。かつて、小泉氏によって引き上げられ、首相への道が開けた安倍晋三首相は、「脱原発を目指せ」という提言をどう受け止めているのか。

 安倍首相と小泉氏の関係は長い。もともと小泉氏は、首相の父・晋太郎元外相も領袖を務めた自民党の派閥・旧清和会の出身だ。

 安倍首相は'00年、森喜朗内閣において、小泉氏の推挙で内閣官房副長官に就任。'01年に小泉内閣が発足すると留任し、その後は党幹事長、内閣官房長官など、政府と党の要職を歴任した。小泉氏から「帝王学」を授けられ、首相の座に上り詰めたのが安倍首相だ。

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