野球
二宮清純「日本野球近代化に貢献した2人の元メジャーリーガー」

「日本のプロ野球を変えたのは(ダリル・)スペンサーと(ドン・)ブレイザー(ブラッシンゲーム)、この2人ですよ」
 野村克也さんは、口ぐせのように、そう言います。

クセ盗みを広めたスペンサー

 阪急で活躍したスペンサー(元ジャイアンツ)の功績については広く知られています。ピッチャーのクセで球種を見抜くテクニックを披露したのは、日本ではスペンサーが初めてだと言われています。

 スペンサーから薫陶を受けた選手のひとりが元阪急の高井保弘さんです。通算代打ホームラン27本は今もなお“世界記録”です。高井さんといえば、現役時代はクセ盗みの名人と呼ばれていました。あたかも顕微鏡でものぞくかのように、ピッチャーのフォームや投球動作を凝視し始めたのは、スペンサーとの出会いがきっかけでした。

 高井さんは語っています。
「これがホンマのプロ野球やと思ったのは、スペンサーがなにしろピッチャーが投げるたびにメモをとるんやから。そこまでするか、とワシはカミナリにでも打たれたような気分やった。それからや、ワシがピッチャーのクセを盗むようになったんは……」