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スクープ 4時間で15枚!ヒラメ(海釣り最難関)「爆釣仕掛け」を初公開する
これがヒラメ爆釣の秘密兵器「鉈」。愛好家は型に鉛を流し込み、自分好みの工夫を加えて自作する〔PHOTO〕船元康子

「ヒラメ40」、あるいは「ヒラメ50」という言葉をご存じだろうか?

 ヒラメを釣る場合には、竿先がちょこんと反応してから自分のなかで40〜50秒数えてから竿を上げないと釣れない、というたとえだ。

 海釣りのなかで、ヒラメ釣りは最難関といわれている。ヒラメは砂地の海底に潜む習性があり、産卵が近くなると主に岩礁地帯で小魚を捕食する。そのため通常は鼻先に釣り針を通した生きたイワシを海底スレスレに沈め、ひたすら待つ。ヒラメがエサに食いついたとしても、竿を上げるタイミングが難しく、数時間釣り糸を垂らしても、せいぜい3〜4枚しか上がらない。

 本誌記者も、竿がしなって充分に待ってから合わせたつもりが、エサのイワシにヒラメの歯型が残っただけ、という経験を何度もしている。

 ところが、そんなヒラメ釣りの常識を覆す「爆釣仕掛け」が存在する。その秘密兵器が上写真の「鉈」だ。鉛と堅い木でできており、全長18cmほど。ナイフの刃のような形と表面に張られたキラキラ反射するシールは、ヒラメにイワシなどの小魚と錯覚させる効果を狙ったものだ。この尻尾にあたる部分に、針のついた釣り糸を結んで使用する。エサのイワシはスーパーで10匹100円ほどで売られている冷凍のイワシで十分だという。釣りの際は、竿を持って大きくしゃくる。すると水中では、鉈と冷凍イワシが踊るように動き、ヒラメがとびついてくるのだ。

壬生さんの釣り仲間で、昔は捕鯨船に乗っていたという永森清さん(69)。見事な形のヒラメを釣り上げた

 つまり、この爆釣仕掛けはルアー釣りとエサ釣りのいいとこ取りをしたもの。鉈は重さ300〜400gで、海の深さや潮の流れに応じて使い分けるのだという。青森県八戸市に住む壬生八十博さん(63)は本業は八戸市議だが、ボートを所有しており、頻繁に海釣りに出かけている。壬生さんが話す。

「この仕掛けは、もともと戦前に八戸や北海道の漁師がマスを釣るために作ったもの。その後、釣り人たちがいろいろ工夫した結果、今の形になったようです。形が鉈に似ていることが名前の由来ですが、八戸では訛って“なだ”と呼んでいます。関東の釣具店や釣り人などから『ぜひ使ってみたい』という声を聞きますが、まだここ八戸以外ではポピュラーではありませんね」