[アイランドリーグ]
徳島・島田直也監督「優勝を意識して戦え!」

防御率0点台・入野の進化

 ここまで後期は20勝6敗5分で首位を走っています。前期は5月下旬まで首位をキープしながら、残り1カ月で香川にひっくり返された悔しさをチーム全体で共有しているのが、いい結果に出ているのでしょう。シーズン前、僕は選手たちと「最後の最後まで諦めず、全力プレーをすること」を約束しました。8月2日には5点差、3日は4点差を終盤に逆転するなど、この約束を実践して戦えていることはうれしいですね。

 勝ち星を伸ばせている最大の要因は福岡一成、入野貴大からクローザーのオナシス・シレットとつなぐ勝利の方程式がしっかりしていることでしょう。特に入野は35試合に登板して防御率0点台と、ほぼ完璧なピッチングをみせています。今季、愛媛から移籍し、「何が何でもNPBへ」という強い気持ちが好成績につながっていることは間違いありません。

 彼は愛媛にいた頃から、ボールの勢い、キレはNPBクラスだとみていました。しかし、上へ行くための課題はコントロール。徳島に来てから下半身主導で投げられるよう、フォームを微調整しました。本人も広島から派遣された小松剛らにアドバイスをもらいながら、貪欲に取り組み、最近はコントロールがまとまってきました。

 下半身を使ってボールを放るため、ストレートも初速と終速の差がなくなってきているように感じます。優勝とNPB行きの両方を勝ちとるべく、残り9試合、彼にはフル回転してもらおうと考えています。

 福岡はトライアウトから目立ち、ストレートのスピードも良いものを持っていました。最初はなかなか起用法が固まらなかったものの、大事な場面で好内容をみせ、勝ちパターンや接戦での中継ぎを任せることになりました。ただ、無我夢中で投げていた時期を過ぎ、最近はやや大事に行き過ぎている面も見受けられます。

「勝たなくてはいけない」とのプレッシャーから腕の振りが悪くなり、持ち味であるボールの勢いが失われています。これはある程度、結果を出したピッチャーが誰もが乗り越えなくてはいけないハードルです。自分の実力を発揮した上で成績を残す。これができるかどうかが、野球が仕事になるか、ならないかの分かれ道です。

「まず、自分のボールを信じて投げろ」

 福岡には、そうアドバイスをしました。結果だけを求めていては、絶対にいいピッチングはできません。優勝争いが佳境を迎える中、福岡にはぜひ腕をしっかり振って投げてほしいと願っています。