弘兼憲史のアジア立志伝

世界の発展をモンゴルへ---MCSグループ会長ジャンバルジャムツ・オドジャルガルの挑戦

文/モーニング編集部

2013年09月04日(水) 弘兼 憲史
upperline
MCSグループ会長・オドジャルガル。世界地図を指さし、ロシアと中国に挟まれたモンゴルならではの戦略を語る。(写真提供: NHK 以下全点)
9月5日(木)深夜24時放送の『島耕作のアジア立志伝』(NHK BS1)。今回の放送では、石炭ビジネスで世界の投資家から注目されるモンゴルMCSグループ会長のジャンバルジャムツ・オドジャルガル氏が登場します。今年3月には安倍首相も訪れて関係強化を図っている資源大国モンゴル。にわかに注目を浴びたこの国で奮闘するオドジャルガル氏の成功の秘訣をNHK取材班への取材をもとに再構成してお届けします。
なお、9月5日(木)発売の「モーニング」および「Dモーニング」では『会長 島耕作』の弘兼憲史氏による漫画版『島耕作のアジア立志伝』が掲載されます。そちらもお楽しみに!

中国は近いうちに必ず石炭輸入国になる

12.3%(2012年推定値)---世界第3位のGDP成長率を誇るモンゴル。ロシア、中国という大国に翻弄され続けてきたこの国が今、驚異的なペースで経済成長を続けている。その起爆剤となっているのが、莫大な埋蔵量を誇るエネルギー資源。とくに、埋蔵量約60億トンを誇るタバントルゴイ炭鉱に代表される石炭が、モンゴル経済の急成長を牽引している。

この石炭を武器に世界経済の第一線に乗り込んだ実業家がいる。MCS(モンゴル・コンサルティング・サービス)グループ会長のジャンバルジャムツ・オドジャルガル(48歳)だ。

オドジャルガルが石炭ビジネスに乗り出したのは、'05年。モンゴルにはゴビ砂漠にあるタバントルゴイ炭鉱など、すでに豊富な埋蔵量の炭鉱が確認されていたが、国内外の投資家は「採掘しても近隣に買ってくれる国がない」と開発に消極的だった。しかも、隣国の中国は自国内に多数の炭鉱を抱える石炭輸出国。いくら地理的に近くても商売にならないと誰もが思っていた。しかし、オドジャルガルが見据える先は違っていた。

「中国は近いうちに必ず石炭輸入国になると考えていました」

当時はちょうど、'08年の北京オリンピック、'10年の上海万博を控えていた。オドジャルガルは、いずれ中国の石炭消費量が急増すると信じて賭けに出た。自社開発のタバントルゴイ炭鉱で採掘した石炭の輸出先を中国だけに絞り、安定的に供給する事をセールスポイントとして強気の交渉に臨んだのだ。

「中国の企業は少しでも利益を上げるため石炭を安く買おうとします。交渉は簡単ではありませんでした」

次ページ その強気が功を奏して、石炭価格…
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事