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スポーツ特別読み物 頑張れ、石川遼!負けるな、斎藤佑樹!——人生はかくも残酷だけど
ライバルの松山英樹、マーくんに大きく差をつけられ、いま何を思う

2013年09月07日(土) 週刊現代
週刊現代

「スイングスピードでも英樹にはかなわない。しかもブレがない……」

 石川はライバル松山の強さをそう認めるのだった。

 二人の差が広がるにつれ、周囲の視線も変わった。松山のラウンド中はメディア各社が徹底的にマークする。かつての石川がそうだった。いまや石川に注目するギャラリーもめっきり減った。結果がすべてのプロの世界。残酷だがこれが現実だ。

 だが、石川もあきらめたわけではない。トレーニングの工夫により、腰痛はかなり解消。今季終盤戦は「春先に比べて、飛距離が平均20ヤードほど伸びた」(ツアー関係者)という。可能性を感じさせるシーンは他にもあった。

 沼澤聖一プロは最終戦を見て、石川の来季の逆襲を予感したという。

「ウィンダム選手権のコースはグリーンの傾斜がきつく、いいところに運ばないとバーディは取れない。そこで石川は67というスコアを出した。ドライバーでフェアウェーをキープし、アイアンでピンにからむショットを打てているということです。あとはパット。まずは2mくらいの短いパットを8割の確率で入れる練習をすること。これができればロングパットにもいい影響が出るはずです」

 前出の勝美氏は、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手を例に挙げた。

「彼は日本にいれば豪速球投手でしたが、メジャーに行ってからは『自分は速球投手じゃない』と言うようになった。豪速球投手じゃないとメジャーで通用しないかというと、全然そうじゃないことを彼は証明しています。それと同じですよ。遼だって日本では飛ばすほうでしたが、こちらでは300ヤード飛ばすプレイヤーなんてごろごろいます。でも、体の大きい人や飛距離の出る人が必ずしも勝つわけじゃありません。対抗するにはスイングの精度を高めること。遼もティショットの6割をフェアウェーに打てるようになったら、勝負できるでしょう」

 石川が「ハニカミ王子」ともてはやされた時代のアスリートで、ライバルに大きく水をあけられたもう一人の王子を紹介しよう。

 '06年の夏の甲子園決勝戦で、田中将大(楽天)と伝説の死闘を演じたハンカチ王子—日本ハムの斎藤佑樹である。

 かの鉄腕・稲尾和久の記録を抜く、前人未踏の21連勝をやってのけた田中に対し、斎藤は右肩関節唇損傷を抱え、開幕からファーム暮らし。いまだ一軍復帰のメドすら立っていない。

 いまの二人の境遇を比べれば、かつては本当にライバルだったのかと思えるほどだ。斎藤の課題は投手の生命線であるストレート。かつて149kmを計測していた真っ直ぐが、140kmがやっと。他球団の二軍はおろか、独立リーグのチーム相手に大量失点する痛々しい姿が報じられたことも一度や二度ではない。

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