スポーツ特別読み物 頑張れ、石川遼!負けるな、斎藤佑樹!——人生はかくも残酷だけど
ライバルの松山英樹、マーくんに大きく差をつけられ、いま何を思う

 放たれる光が眩しいほど、闇は深いもの。それはわかっているのだが、彼らがスポットライトの当たらないところにいるのは似合わない。雌伏を飛躍につなぐため、元王子たちの逆襲が始まる—。

正しい道を発見できるのか

「ふたりの差はパッティングの差ですね。石川は4~5mのパットがとことん入らなくて、ひどい日には1mすら入らない」

 来季の米ツアーシード権を決める事実上の最終戦だった米ウィンダム選手権。現地で石川遼と松山英樹の戦いぶりを取材したノンフィクションライターの柳川悠二氏はこう分析した。

 今季から米ツアーに本格参戦した石川が来季のシード権を確保できなかったのに対し、わずか7戦の松山がシード権を確定。明暗はくっきりと分かれた。

「石川は6月以降、パターを換え、グリップを換えてまた戻してと迷走。現在のチームに、彼に積極的に助言しようという雰囲気はないようです。石川からアドバイスを求めないかぎり、彼自身も聞く耳をもたないようで、結局、コーチ不在が停滞を生んでいるのではないでしょうか」(夕刊紙デスク)

 石川を身近で見続けてきた父・勝美氏はどう見ているのか。

「あれこれ打ち方を試すのは悪いとは思いませんが、クラブやグリップを換えるのは、目標に辿り着くまでの道順を変えるような大きな変更です。遼はこれで行く、という道をまだ探っている状態なんでしょうね」

 石川を悩ませているのはそれだけではない。持病の腰痛だ。今年1月に検査を受けた結果、骨に問題があったことが判明。そのため練習量が激減したという。

「医者にヘルニア気味だと言われました。それまではスタートの2時間半前からドライバーを打って、アプローチ、パッティングの順で練習するのがルーティンだったんですけど、腰痛でできなくなった。完全にパットは練習不足になってしまい、バラバラになってしまった。パットって精神的なエネルギーをかなり使うので、入らなければ入らないほど、悪い連鎖が生まれてしまうんです」

 石川本人の弁である。

 その焦りか、今季の石川はラウンド中によくキレていた。パットを外して奇声をあげたり、アイアンで芝を叩いたり。バーディチャンスを決められない我慢の展開が続き、簡単なパットをミスして、ショットまで乱して大叩き。悪循環だった。

 一方、松山はダボを叩いても意に介さず、直後に連続バーディで取り返す。はた目には松山の存在が、石川のコース上のイライラをいっそう増幅させているようにも見えた。