サッカー
移籍と残留---それぞれの選択をした長谷部誠と本田圭佑
〔PHOTO〕gettyimages

ヨーロッパでプレーする日本人選手が、それぞれの立場で決断を下しました。

ドイツ・ブンデスリーガのヴォルフスブルクに所属していた長谷部誠は、同じドイツ内のニュルンベルクへ移籍しました。

8月上旬のシーズン開幕から、長谷部はチーム内でポジションをつかめていませんでした。複数のポジションでプレーできる彼を、チームの監督は重要なバックアッパーとして評価していましたが、出場時間が短い状況ではコンディションを保てません。

来夏のブラジル・ワールドカップを、長谷部は30歳で迎えます。ニュルンベルクでレギュラーをつかめば、まさに脂が乗り切った状態でワールドカップを迎えることができるでしょう。

新天地ではゲームに出られる可能性が高くなり、何よりも彼本来のボランチで起用されることになりそうです。長谷部の移籍を誰よりも喜んでいるのは、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督かもしれません。頼れるキャプテンが、より良い環境を選んだからです。

残留という選択に至った選手もいます。本田圭佑です。ロシア・プレミアリーグのCSKAモスクワからイタリア・セリエAのACミランへの移籍が濃厚と見られていましたが、様々な要因によって残留となったようです。

もっとも、本田とACミランは相思相愛と言われています。本田とCSKAモスクワは今年12月いっぱいで契約が切れ、ちょうどその時期は冬の移籍市場が開いていますから、2013年かぎりでモスクワを去る可能性は高いでしょう。ACミラン側も、来年1月の獲得は諦めていないようですし。

〔PHOTO〕gettyimages

セリエAのピッチコンディションは本田に味方する

ACミランはヨーロッパに名の通ったビッグクラブですが、本田なら十分にやっていけるはずです。私がそう考える理由は以下の二つです。

①メンタリティがビッグクラブ向きである。
②コンタクトプレーに強い。

本田という選手は、高いレベルへいくほど成長してきました。安住は求めないタイプです。ACミランは多士済々な集団ですが、彼なら自分というものをブレずに持ち続けられるでしょう。同時に、チームメイトと協調することもできるはずです。それが、①の理由です。

②については、セリエAのピッチコンディションに触れなければなりません。緑が鮮やかなイングランドとの比較が分かりやすいですが、セリエAのピッチはあまり良くありません。選手たちのユニホームが、泥だらけになることも珍しくない。それだけ足元を取られやすいのです。簡単に言うと、滑りやすいということです。

そうしたコンディションでは、ボールコントロールも慎重にならざるを得ません。ダイレクトでパスをしたかったけれど、ボールがバウンドしてしまったのでトラップをする、といった場面も出てきます。ボールを持った選手がトラップをすると、守備側はその選手にアプローチをする時間が生まれます。ピッチコンディションが悪いなかでは、フィジカルコンタクトを伴うプレーが増える傾向にあるのです。

そこで重要なのは、相手に身体をぶつけられてもしっかりとボールをキープできるか。コンタクトプレーに強い本田なら、まったく問題はないでしょう。

また、彼はミドルシュートやフリーキックが得意です。デコボコもあるピッチコンディションでは、ミドルシュートは効果的です。ゴールキーパーからすると、キャッチングしきれないのでやむを得ず弾くというシーンもあるでしょう。攻撃側からすれば、ゴールキーパーが弾いたボールを押し込むことが可能になります。本田が入ることで、攻撃のバリエーションが増える期待があるのです。

〔PHOTO〕gettyimages

いずれにせよ、大切なのはここからです。

残留することになったCSKAモスクワで、契約満了までしっかりとプレーする。そこで、これまで以上にアピールをしてほしいものです。

CSKAモスクワは欧州チャンピオンズリーグに出場し、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティらと対戦します。いずれも欧州トップクラスのビッグクラブです。そうしたゲームで存在感を発揮することが、2014年1月以降の未来を明るく照らすことになるでしょう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら