わかりやすい伝え方の法則
【第8回】 「書くように話す」で、わかりやすくなる

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【第7回】はこちらをご覧ください。

わかりやすく伝えるためには、「相手に伝わる日本語」を使わなければいけません。「そんなの当たり前!」と思うかもしれませんね。

これまで様々な「伝え方の技術」をお伝えしてきました。これらを身につければ、どんな内容でも、わかりやすく伝えることができます。ですが、そもそも使っている日本語が「意味不明」では、どんなに「技術」を身につけたところで、伝わるものも伝わりません。

「相手に伝わる日本語を使う」などというと、非常に基本的な内容に感じるかもしれません。でもこれをないがしろにしていては、絶対に「伝える力」は改善しないのです。

じつは私たちは気づかないうちに「意味不明」な日本語を使っています。そして、じつはその「意味不明な日本語」を使っていることが、わかりづらさの最大の原因なのです。

ここでは、そのことに気づいていただくとともに、「相手に伝わる日本語」を使うコツをお教えしたいと思います。とても重要なことですので、しっかり頭に入れてください。

ポイントは2つです。

①必ず、主語と述語を明確に伝える
②とにかく一文を短くする

この2つのポイントに気をつけるだけで、あなたは、ちゃんと意味の通じる日本語を使えるようになります。

書くように話さなければいけない

早速、それぞれについて説明していきたいところですが、その前に、よくある「誤解」を解いておきたいと思います。

「話し言葉で書けばわかりやすくなる」
「話し言葉で表現すればいい」

皆さんは、このように指南している本を読んだことはありませんか? でも、これは誤解なんです。とても大きな誤解です。

たしかに、文章よりも会話のほうが簡単な日本語を使います。そのため「話し言葉」を使ったほうがわかりやすい表現のように感じます。でもそれは、イメージだけのことです。

話している時には、顔の表情や言葉の抑揚、身振り手振りで、情報を補足することができます。また、そもそもその場の雰囲気や前後関係が存在している中でやり取りをしています。

たとえば、レストランの店員の態度が悪い時、一緒に行った友人と顔を見合わせて「なんだかビミョウだよね」と言ったとします。それだけで、自分が「嫌だね。不満だよね」と感じていることが、相手にも伝わります。

しかしそれは、その時の状況を既にお互いが共有しているから通じるのです。「話し言葉だから通じる」のではありません。

そもそも、「話している風」で表現すればわかりやすくなるのであれば、「わかりづらい会話」は存在しないことになります。そんなことありませんね。「話し言葉=わかりやすい」は誤解なのです。

むしろ、実は、「話し言葉」というのは、とても危ういものです。さきほどお伝えしたように、顔を合わせての会話であれば、その場の状況や顔の表情・身振り手振りで情報を補足することができます。言葉や文章が不完全でも「なんとなく伝わる」のです。

そのため、話し言葉は往々にして「不完全」になりがちなのです。「何がどう不完全になるか?」は、この章で説明します。続きを読んでいただければ状況がよくご理解いただけると思います。

そこで私は、「書くように話す」ことをお薦めしています。

「伝わる日本語の使い方」を身につけるためには、口頭で話すときであっても、文章で書くようなつもりで、一語一語、一文一文をチェックしながら話すことを心がけるべき、ということです。話し言葉で伝えればわかりやすくなる、なんて大間違い。そうではなく、書き言葉で伝えることでわかりやすくなるのです。

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